新聞社に入社して約20年。現在に至るまで、さまざまな仕事を経験してきた。と書いたものの、“部署”の話ではない。“仕事”の話である。営業時代には少年野球大会の開会式あいさつ、東北総局時代には地域FMの番組に2度出演したりと、本職とは別の仕事もこなしてきた。このたび、また新たな“職種”が増えた。
先日、都内で開催された恵中瞳カバー曲選手権「ひとみんナイト8」の審査員を務めさせていただいた。演歌歌手の恵中の持ち歌約90曲から、アマチュアの歌手たちがカバー曲を披露。それを審査する大役だった。審査員席の私の右隣には、特別審査員長を務める作家の岩井志麻子氏(58)が鎮座していた。開会前にはひと言を求められ、焦りながらもエールを送ることには成功した。
出場した8組が次々と歌っていく。歌唱力を語る前にそもそもが皆、パワフル。そんな中、優勝したのは出演順が最後のにゃんにゃんだった。ピンクのフリフリミニスカートで登場。この日の登壇者をステージに乗せて共演。ステージを目いっぱいに使って、みんなで熱唱した。最後は「にゃんにゃんワールドでした!」と締めくくった。私が投票した歌手ではなかったが、優勝に値するパフォーマンスではあった。
審査員とはいえ、本業は新聞記者。表彰式終了後、にゃんにゃんを取材した。優勝を告げられた瞬間、目に涙をためていた、にゃんにゃんは「みんなの気持ちがあったから、この賞を取ることができました。本当に感謝しかないです」と熱く語った。
歌手活動を始めた理由について聞いてみた。もともとはダンサーで、歌手活動を始めて2年。きっかけは盲目のピアニストとの出会いだったという。「相手の目が見えないので、私のパフォーマンスが見えない。歌自体は苦手なんですけど…伝わればと思って」。この日、心地よい歌に華麗なダンスを交えていた。盲目のピアニストとは彼氏彼女の関係ではないと否定。日程の都合でこの日のイベントに来場はしていないという。現在の年齢については「『にゃんにゃん』だけに永遠の『にゃにゃ歳』」と笑顔で締めくくった。
新鮮な取材だった。有名無名問わず、人には歴史がある。いち取材記者として、ネームバリューの大小で取材の強弱を付けたことはないが、改めて気が引き締まった。審査員という仕事のオファーをいただき、ありがとうございました。また今度、呼んでください。
【高橋洋平】
▼恵中瞳カバー曲選手権「ひとみんナイト8」出場者短評(数字順に登場)
【1】カンパーニュ楓 過去2度優勝の絶対王者。黄色のフリフリが付いたミニスカのコスチュームがすてきだった。恵中とデュエットも披露した。
【2】みずきち 初参戦で生ギターとともに4曲披露。黒のワンピース姿で、伸びやかな美声を響かせた。
【3】IOCHIE(イオシー) 過去1度の優勝。エコーを巧みに使いながら4曲熱唱した。
【4】Ricotta 制服ルックのえりとぽんずの2人が2曲、ソロ1曲ずつの計4曲披露。ステージいっぱい使って熱唱。
【5】石川嘉鈴江(かずえ) 過去に優勝1度あり。シャンソン仕込みの歌い回しがさえ、演歌も熱唱した。
【6】NONz(ノンズ) 2回目の出場。カラフルなLEDライトが装着されたジャンパーを羽織り、スカート姿で登場。最後はお色直しして、恵中とデュエットを披露。
【7】きぬか 初出場。赤色ベースに白い水球模様のワンピースで登場。年間300回のライブ出演で鍛えた歌唱力で会場を沸かせた。
【8】にゃんにゃん 4曲すべて恵中のカバー曲で臨み初優勝。恵中とのデュエットも披露した。
▼順位 5位IOCHIE、4位NONz、3位石川嘉鈴江、2位みずきち、1位にゃんにゃん



