テレビ朝日は12日、特別番組「旧ジャニーズ問題検証」(午前10時)を放送し、旧ジャニーズ事務所所属タレントの不祥事などを報じる際、局内で調整が行われていたことを明かした。
旧ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題を受けた検証番組で、進行は同局大下容子、小木逸平両アナウンサーが務めた。番組冒頭では制作にあたり、103人の同局OB、局員にヒアリングを行い、実態を調査したことを報告した。
番組では、旧ジャニーズタレントに関するニュースを取り上げる際の局内でのやりとりについて、聞き取りで得られたコメントを紹介。「ジャニーズが絡んでくると、いろいろな不祥事も報道幹部や編成から扱いについて細かく言われたこともあるし、それを大きく取り上げる発想もなかった」(元ワイドショーデスク)「編成が番組に対して『極めて慎重にやってほしい』と言う。放送の分数やスタジオでのコメントはダメなど、すごく繊細な配慮。バラエティーがあり、音楽番組がある民放が抱えている宿命だと思う」(元ワイドショープロデューサー)などとし、編成と制作部門の間で調整を行ってきたという。
ワイドショーだけでなく報道にも同様の空気があり、ナレーションでは「“ジャニーズ案件”は扱いづらいという雰囲気が醸成されていきました」と説明。「テレビ朝日の番組にジャニーズ事務所のタレントが多く出演していることも踏まえ、配慮が必要だという意識があったのは事実」(報道局員)「ジャニーズ事務所をはじめとする大手芸能プロダクションに所属するタレントについてマイナスの取り上げ方をする場合は、事前に編成への報告を求められる」(報道局員)「ジャニーズ事務所の所属タレントの事件・事故を扱う際には、編成担当がニュースフロアや当該部署まで来て『どのようにどこまで扱うつもりなのか』を逐一確認する姿を長く見てきた」(報道局員)とも紹介された。
今年4月12日にカウアン・オカモト氏がジャニー氏による性加害を告発した会見をその日のニュース取り上げることはなく、同局では22日になって初めてジャニーズ事務所側が性加害の調査を行ったことを報じた。性加害問題を報じないことに社内でも疑問の声が上がったが、「『ジャニーズネタは編成や会社が気にする』との空気眼が醸成されていて、積極的に報じることを妨げていたのではないか」(報道局員)とするコメントも伝えた。
内藤正彦報道局長は「社の性犯罪報道のルールに基づいて、事務所側の反応を待つ状況だった」とした上で、「重大な性被害に関して実態解明の取材と確認作業を積み上げられていなかったことがありますが、編成局とのやりとりを通して『扱いにくい案件だ』という空気が積極的な確認作業を妨げていたのは、じくじたる思いです」と述べた。



