小説「機関車先生」やエッセー「大人の流儀」シリーズで知られる直木賞作家の伊集院静(いじゅういん・しずか)さん(本名・西山忠来=にしやま・ただき)が24日、亡くなった。73歳。関係者を通じて発表された。葬儀は近親者のみで執り行われる予定。先月27日、肝内胆管がんを患い、当面の間の執筆作業を中止することを発表していた。
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「大人の流儀」など各雑誌に人気連載を抱えたほか、作詞家などマルチに活躍した伊集院さんが逝った。
妻で女優の篠ひろ子(75)が「突然のご報告となりますが、11月24日伊集院静は永い旅に出てしまいました。かねてより肝内胆管がんの治療をしておりましたが、残念ながら回復に至りませんでした」とコメントで発表。「自由気ままに生きた人生でした。人が好きで、きっと皆さまに会いたかったはずですが、強がりを言って誰にも会わずに逝ってしまった主人のわがままをどうかお許しください。最期まで自分の生き方を貫き通した人生でした。私たちに寄り添って2人だけの時間をつくってくださった皆さま、そして応援してくださったファンの皆さまに心より礼を申し上げます。ありがとうございました」とつづった。
伊集院さんは20年1月にくも膜下出血で入院したものの、手術は成功し、その後奇跡的に回復し復帰。しかし先月27日、肝内胆管がんを患い、当面の間の執筆作業を中止することを発表。「療養期間中はどうか温かく見守っていただけますと幸いです」としていた。
伊集院さんは山口県出身。立大文学部を卒業後、広告代理店に勤務。CMディレクターとして活躍したほか、80年からは歌手松原みきさんのコンサートのプロデュースを行い、松任谷由実の公演にマジックを取り入れ、松田聖子の公演でも大がかりなセットを取り入れるなど、斬新な演出で人気アーティストに新機軸をもたらした。
81年に短編小説「皐月」で作家デビューすると、92年には「受け月」で直木賞を受賞。柴田錬三郎賞の「機関車先生」など、数多く賞を受賞し、「最後の無類派」と呼ばれ、人間の孤独や哀感を描き出した。自伝小説「いねむり先生」などはのちに映像化も。「伊達歩」名義で作詞家としても活躍し、87年の日本レコード大賞の近藤真彦「愚か者」など幅広く手がけたほか、ギャンブルや酒を愛する独自の美学を語るエッセーも人気だった。
華やかな私生活でも知られ、多くの芸能人やスポーツ選手、経済界とも交友した。84年に女優夏目雅子さんと結婚したが、翌85年に死別。92年に女優篠ひろ子と再婚し、96年からは仙台市に居住していた。
◆伊集院静(いじゅういん・しずか)本名・西山忠来(にしやま・ただき)。1950年(昭25)2月9日、山口県生まれ。72年に立大文学部卒業。広告代理店勤務を経てフリーの演出家に。81年「皐月」で作家デビュー。「最後の無頼派」と呼ばれ、主な受賞歴は92年「受け月」で直木賞など。エッセー「大人の流儀」シリーズはベストセラーに。「機関車先生」「いねむり先生」は映像化された。「伊達歩」名義の作詞家でも近藤真彦「愚か者」「ギンギラギンにさりげなく」などを手がけた。84年に結婚した女優夏目雅子さんが翌年急死し、92年に女優篠ひろ子と再婚。96年から仙台市に居住。16年に紫綬褒章。



