23年9月に宝塚歌劇団の25歳宙組団員が急死した問題で、遺族側代理人弁護士が27日、都内で会見を行い、これまでの面談交渉の過程で「阪急、劇団側が実質的にハラスメントを認めた」ことを明らかにした。

遺族側が15件挙げたハラスメントについて、劇団側は約半数を認めたとしたが、合意書に記載する謝罪文の内容、公表の方法に否定的な姿勢を示され、合意には至っていない。第5回交渉は3月前半に行う予定。

会見を行った川人博弁護士は「総論として多くのハラスメントは認めている。ただ、生徒を守るという大義名分を使って、パワハラの行為者を守るかのように受け取れる言動が非常に多い。これでは合意締結できない」とした。

一例として、上級生にヘアアイロンを押し当てられやけどを負った事例では、「上級者がやけどを負わせたことは争えない事実ですが、『本人が(アイロンを)断ったにもかかわらず』という言葉が入ると、それはだめだということになってしまう」と説明した。また劇団側からは、合意した謝罪内容を公表せず、合意していない内容についてのみ会見で公表するという「まことに奇妙な案」(川人氏)が提示されたという。劇団側から26日に届いた書面には、確定的な考えではなくあくまでもそのような意見がある、と記されていたそうだが、隔たりの大きさがうかがえる。

川人氏は「合意に向けて前進していきたいが、(劇団側の)出方によっては暗礁に乗り上げる可能性もある」との見解を示した。

会見では、急死した劇団員の妹で現役歌劇団員の書面が読み上げられた。「劇団はパワハラを行った者の言い分のみを聞き、第三者の証言を無視しているのは納得がいきません。大切な姉の命に向き合ってください」と訴えている。