杉咲花(26)が7日、東京・ユナイテッドシネマ豊洲で行われた主演映画「52ヘルツのクジラたち」(成島出監督)大ヒット御礼舞台あいさつで、共演の志尊淳(29)から「日本の宝」と絶賛され「身に余る言葉…うれしい」と感激した。
「52ヘルツのクジラたち」は、累計発行部数が100万部に迫る町田そのこ氏の2021年(令3)本屋大賞受賞作の実写映画化作品。杉咲が、ヤングケアラーでネグレクト(育児放棄)を受けてきた貴瑚、志尊は精神的にも肉体的にもギリギリの状態だった貴瑚と出会い、救い出そうと動き出すトランスジェンダー男性の安吾、小野花梨(25)が貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴を演じた。
志尊はトークの中で、杉咲のすばらしさを聞かれると「素晴らしいところですか? 2時間くらい、かかるんですけど大丈夫ですか? 過去に仕事したこともあるんですけど、出る作品を見て皆さん同様、何て素晴らしいんだろうと思う」と口にした。その上で、こう続けた。
「それが天才だからとか、生まれ持ったものだとかって思われるのが、すごく嫌なんですよ。それほど、杉咲花という人間は、こんなにも作品に自分の気持ち、時間をささげ、寄り添い遂げる人がいるんだと側にいて感じた」
志尊の杉咲への称賛は、止まることがなかった。「彼女は自分で思い描いて、余裕をもってなんてやっていなくて。1シーン、1シーン、このままなくなっちゃうんじゃないかという追い詰め方をしているように見える。すり減らし、向き合っている」
その上で志尊は、あまりに作品に身をささげ過ぎる杉咲を気遣った。「心配なのは、このまま、すり減って、すり減って壊れないで欲しいというのが一番、怖いけど、それが花ちゃんが仕事に向かうスタンス。共存できて自分の体をしっかり保てるなら…僕は日本の宝だと思っているので、たくさんの作品を届けて欲しい思いでいっぱい」と呼びかけた。
杉咲は「これ以上ない、身に余るお言葉…恐縮でうれしい。自分にも想像しきないくらい、とてつもない深い愛情を持って、志尊君は毎日、現場に立っていてくださった。俳優として心の底から尊敬しています」と感激し、志尊に感謝した。そして、舞台あいさつの最後に訴えた。
「私は、生きていたら寂しいことばかりだって思っているんですけど。人のことを思ってもみない形で傷つけてしまうこと、傷つけられるることも怖いし、他者との関わりって煩わしいものでもあると思う。でも、その寂しさを紛らわしてくれるのも人の存在。人の痛みが分かることができなくても、それでも隣にいて想像力を持って、これからも関わろうとしていきたいと、この映画を見て感じました」
自身と作品に関する率直な思いを語る杉咲に、客席から温かい拍手が送られた。



