童謡を歌い継ぎ、世界中に広めてきた由紀さおり(79)安田祥子(84)姉妹。1986年(昭61)に童謡コンサートをスタートさせ、40周年という節目を記念したベストアルバム「日本の四季」を4月15日に発売する。そして6月11日には東京・渋谷公会堂で40周年記念公演を行う。
公演への意気込みなどを聞いた。【取材・構成=松本久】
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-40周年記念コンサートへの意気込みをお願いします
安田 私の近所に住んでいる仲間が「アクセスの良い近くで公演をやってちょうだい」と言うんです。皆さん、私と年齢が近いですからお出かけするのも大変な方が多い。そういう方たちにもぜひ来ていただきたい。そしてお孫ちゃんたちにもね。元気よく歌えるように、私はエクササイズをしながら頑張っております。
由紀 2人ともいい年頃になりましてね。それでもまだステージで7センチのヒールを履いて歌っています。私よりも姉はもっと大変ですよ。そして姉がいなかったら私もここまでやっていなかったかもしれない。お姉ちゃんが頑張って歌ってくれているので「ついていきたいな」と。「こういう元気な姉妹がまだいる」というところも見に来てほしいし、聞きに来ていただきたいと思っております。
-クラシックの安田さんと歌謡曲の由紀さん。分野が異なることで歌唱の際に難しいことはありませんか
由紀 それは童謡唱歌じゃないジャンルを歌う時にありますね。1コーラス目を姉が歌うと、その世界観をどう2コーラス目に私が引き継ぐかというのはすごく難しい。逆もあると思うんですけどね。違う世界観の2人が1つの曲を歌うのは、私たちにとってすごいチャレンジでしたの。だからお姉ちゃんがこういうふうに歌うならそこを引き継いで、私もそういう発声で歌った方がいいかなとか。そういうことはお互いにすごく研究をしました。お姉ちゃんはクラシックだからマイクのいらない唱法をずっとやってきた人。私はマイクがなきゃできない。このギャップみたいなものもあります。ピアノだけでずっとやってきた姉と「ベースとドラムがないわ」みたいなのが私。でもその時に、お姉ちゃんが意識を変えて、マイクを使って2人で寄り添うようにしてくれたことが、今日まで歌ってくることができた要因の1つだと思う。
安田 そうですね。私も(妹には)十分助けられています。
由紀 最初のアルバムから私は「こぶしを入れないように」と、お姉さんは「あまり張り切って歌わないように」と言われて。2人が寄り添う形をスタッフが作ってくれたことも大きいですね。
◆由紀さおり(ゆき・さおり)本名・安田章子。1946年(昭21)11月13日生まれ、群馬・桐生市出身。小学生の時から「ひばり児童合唱団」で童謡歌手として活躍。69年に由紀さおりとして「夜明けのスキャット」で再デビューし150万枚のヒット。歌手だけでなく女優、司会、バラエティーなどで幅広く活動。CMソングは300曲以上歌唱。12年に紫綬褒章、19年に旭日小綬章。趣味は陶芸、日舞(花柳和可沙織)。
◆安田祥子(やすだ・さちこ)1941年(昭16)9月9日生まれ、川崎市出身。小学生の時から「ひばり児童合唱団」で童謡歌手として活躍。東京芸大大学院修士課程修了。同大講師を18年続け、コンサート活動に専念するために退任。ボイストレーナーとしても活動。13、21年に文部科学大臣表彰。草苑保育専門学校特任講師、NPO法人「音楽で日本の笑顔を」顧問。



