フランスで開催中の世界3大映画祭の1つ、第79回カンヌ映画祭授賞式が23日(日本時間24日)開かれた。最高賞パルムドールを競うコンペティション部門に出品された、濱口竜介監督(47)の新作「急に具合が悪くなる」(6月19日公開)に主演のベルギー・フランスの俳優ビルジニー・エフィラ(49)とダブル主演した女優・モデル・映画監督のTAOこと岡本多緒(41)が、そろって女優賞を受賞した。日本人俳優の女優賞受賞は、同映画祭79年の歴史で初めて。

男優賞は、2004年(平16)に「誰も知らない」(是枝裕和監督)で柳楽優弥(36)が、日本人俳優として初受賞。23年には「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)主演の役所広司(70)が、日本人俳優として9年ぶり2人目の受賞。今回の岡本の女優賞受賞は、日本人3人目の俳優賞の受賞となる。

◆「急に具合が悪くなる」 フランス、パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長マリー=ルー・フォンテーヌ(ビルジニー・エフィラ)は、入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、日本人の演出家・森崎真理(岡本多緒)に出会い、がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらう。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、交流を始めた2人だったが、ある時、真理が「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、2人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者の宮野真生子氏と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者の磯野真穂氏が交わした20通の往復書簡を元にした、19年の同名共著(晶文社)を原作に、濱口監督が脚本を執筆。