テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54)分の大越健介キャスターは6月30日夜の放送で、与党が「数の力」で国会審議を進め、野党が猛反発して委員会や本会議をすべて欠席するなど国会の異常事態が続いていることをめぐり、野党に一定の理解を示した上で、「自民党議員の『良心』に期待したいと思います」というフレーズを繰り返した。
番組では、与党が日本維新の会肝いりの衆院議員定数削減法案を、野党の反対を押し切る形で「職権」の連発で審議強行に踏み切ったことで、野党が審議拒否に転じたことを伝えた。6月30日に行われた「副首都」に関する法案審議だけでなく、高市早苗首相肝いりの国旗損壊罪を創設する法案の採決が行われた衆議院本会議も全野党が欠席。野党側は衆参で足並みをそろえて与党に対抗しており、委員会審議は野党欠席の中、いわゆる「空回し」で行われたことも報じた。ただ与党が法案を衆院通過させても、過半数に満たない参院の審議は困難が見込まれており、会期末の国会は混乱が予想されている。
大越氏は国会の現状について、「会期末まで残り3週間を切りました。真冬の衆院選挙で歴史的大勝をおさめた高市政権ですけれど、その圧倒的多数を持つがゆえ、ということなのでしょうが、終盤国会は野党が一斉に審議を拒否する事態になっています」と言及。多くの野党の存続にかかわる衆院議員の定数削減法案の審議入りが、国会不正常化のきっかけだったとの説明がなされると、「選挙や国の形といった重要な問題であるにもかかわらず、与野党の合意形成を待たず、与党が数の力で押し切ろうとしているように見えるので、野党の反発もやむを得ないかなというふうにも思うのですが」と述べた。
放送では、こうした不正常な国会が、皇室典範改正案や消費減税をめぐる与野党の「国民会議」の行方にも影響を与えかねない状況であることや、自民党内では、「1強」の高市首相に直言できる雰囲気がないとの解説も伝えられた。
大越氏は、「与党側の強気の国会運営に対して、野党側からは『議会制民主主義の危機だ』という声すらあがっている。そして、その言葉、今回は非常に切実なものを感じます」と、一定の理解を示した。
その上で「議論を軽んじて、数を頼んでものごとを押し切るということは、あってはならない行為であって、そうならないために、私は、自民党議員の良心というものに期待をしたいと思います」と述べ、高市首相にものが言えない状況にある自民党議員に、奮起を促すように語った。
「高市総理の支持率が高いからといって、長いものに巻かれたままの姿勢でいいのか。その政策の進め方に疑問を感じるのであれば、率直にそのことを発信することが大事なのではないでしょうか」とも指摘。「もう一度申し上げますけれど、国民政党としての自民党議員の良心に期待をしたいと思います」と、「自民党議員の良心」への期待を、繰り返し訴えた。



