元テレビ朝日社員の玉川徹氏が2日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に生出演した。
日本のブランド農産物が中国などに多数流出し栽培農家に多額の損失を生んでいる現状を踏まえ、政府が官民による管理機関を新たに創設する予定であることに関して「今の日本と中国で、そういう信頼関係が今の政府でとれるか、という話なんですね」と指摘した。
番組では、農水省が昨年7月から9月にかけて、日本のブランド農産物の流通状況をめぐり、中国や韓国のネット、通販サイトを調査したところ、日本で開発されたブランド農作物と同一だったり酷似した種や苗が複数確認され、育成者権侵害や海外流出の可能性があるものが約50品種あったと伝えた。愛媛県が17年の歳月をかけ、苦心をして開発した「紅プリンセス」と呼ばれるみかんが、中国で「紅公主」などの名称で栽培、販売され、一大生産拠点となっている地域があることも報じた。
日本では、「シャインマスカット」も中国や韓国に流出し、許諾料の換算だけで年間約200億円の損失が生じていることが分かっており、こうしたブランド農作物の海外流出をどう防ぐかが大きな課題となっている。番組では、官民による管理機関が今夏にも新設され、管理体制を強化する動きが出ているとも報じた。
MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一が「こういう機関は、今までなかったんですね」と驚きの反応を示す中、玉川氏は「種から栽培するものといえば、アメリカが種を支配している、ということを聴いたことがあると思いますが、これは『F1(雑種第一代)』というやつで、掛け合わせてもう1回栽培して種をつくっても同じものはできない。種を買い続けなければならず、『F1』の種を持っているところが強い」とした上で、「でもこれは草木で言えば、草の方。かんきつ類やりんごなどは接ぎ木で栽培できるので、種からいく必要がなく、苗を持って行っちゃったらそれで栽培できてしまう」と指摘した。
その上で、「もし、日本に強みがあるということなら、その仕組み(管理)をしっかりつくっていかないといけない。そのためには当然ながら国際交渉が必要になる」と主張。「たとえば、イタリアとの間では、日本のりんごのシナノゴールドは、契約栽培ということで契約に基づいて日本の品種をイタリアで栽培し、そこでロイヤルティーが入ってくるという関係がつくれるんですけれど、政府間で信頼関係があるから、こういうことができるんで」とも指摘。羽鳥が「国と国ですか」と述べると、玉川氏は「そうなんですよ」と応じ、「今の日本と中国で、そういう信頼関係が今の政府でとれるか、という話なんですね」と口にした。
日中関係は、昨年11月の台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁以降、悪化したままだ。玉川氏は、「仮に表面上、そういうふうなことをやっても、実際に(中国側が)取り締まりをやってくれますか? サボタージュされたらそれまでじゃないですか。やらなくていいぞって中国政府が言ったらそこまででしょ」と述べ、「だから、なんだかんだ言っても政府と政府の信頼関係というのが人間同士もいっしょですけど、行きつくところはそこに行きつくんだと思いますよ」と訴えた。
羽鳥が「管理機関を立ち上げれば(解決する)という問題じゃないということですね」と述べると、木曜コメンテーターで弁護士の結城東輝氏は「おっしゃるとおりで、入り口で海外に出ないように頑張って止めるという話と、出口で流出した後にどうやってロイヤルティーを取っていくのか、差し止めていくのかは、国家間の外交交渉になってくる。そこで一つ、交渉カードになってくると思います」と指摘した。



