「容疑者Xの献身」「白夜行」などの人気ミステリー小説で知られる直木賞作家東野圭吾(ひがしの・けいご)さんが23日未明、大腸がんのため亡くなった。68歳。27日、講談社が発表した。葬儀は家族葬で執り行われた。お別れの会などの実施については、開催するかどうかも含め、決定次第発表される。国内発行部数1億部超え、映像化された作品も多く、絶大な人気を博した。
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複数の関係者によると、東野さんは数年前から体調を崩し、通院していたという。昨年の冬にはつえを使用して歩いており、今年の初めには車いすで外出するようになった。
今年5月に松村北斗、今田美桜がダブル主演する映画「白鳥とコウモリ」(岸善幸監督、9月4日公開)の試写会が行われた際、東野さんはかなりやせた姿だったが、会場を訪れていたという。
ミステリー界を牽引(けんいん)してきた1人だった。エンターテインメント性とミステリーの両立、深い人間描写と緻密(ちみつ)な構成、張り巡らされた伏線とその回収。「最も映像化したい作家」と呼ばれ、福山雅治は「ガリレオ」シリーズに、阿部寛は「新参者」などの「加賀恭一郎」シリーズに、木村拓哉は「マスカレード」シリーズに出演した。
東野さんの作品は、映像を通しても広く知られ、見る人、読む人を楽しませた。今後も「殺人の門」が27年2月に、山﨑賢人と松下洸平のダブル主演映画として公開される。
また、「日本で最も売れている作家」と評された。23年4月、書籍の国内累計発行部数が1億部を突破したことが発表された。100冊目の「魔女と過ごした七日間」で大台を突破したため、平均すると1作品100万部超えという驚異的な数字となる。
気さくな一面でも知られた。すでにスター作家だった東野さんが、06年、6回目のノミネートで「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞した際には「強がりじゃなく、すごく楽しい7年でした。落ちるたびにやけ酒飲んで、選考委員の悪口言って…。普通の人にはできないゲーム。今日は勝てて良かった!」と笑わせた。
また、映像化した作品の完成にはコメントを寄せ、出演者をたたえた。次も東野さんの作品に出たい、と思わせてくれる人間的な魅力があった。
東野さんを評するもう1つの言葉がある。「最も新作が読みたい作家」だ。もう新作を読むことはかなわないが、数々の作品が残された。講談社によると、今年8月刊行予定の最新刊「永遠の記憶」を含めて著作は106冊(共著をのぞく)にのぼるという。



