芸能担当になって1年が経った。芸能に限ったことではなく記者という職業に共通することだが、1年間でたくさんの人間の考え方に触れる。自分自身が日頃心がけている思考法に近い方、正反対の方、レベルが高過ぎて記者では理解が及ばない方など…さまざまな考え方を知り、理解しようとし、時に取り入れた。そんな日々を送り、ふと、学生時代の自分を思った。「この記者のような文章を書きたい」と漠然と考えていた姿がある。今、憧れの思いが記事として形になっているのかは分からない。近づくのが正解とも限らないし、離れるのが正解とも限らない。自分の芯を確立したいと思う、そんな芸能記者2年目のスタートとなった。

憧れ、というテーマを思い浮かべると、先日、乃木坂46大越ひなの(21)にインタビューをした際の会話が思い出される。グループ42枚目の最新シングル「是非に及ばず」で初めて表題曲の選抜メンバーに選ばれ、歌番組ではカメラ割りで持ち前の光輝く笑顔を残し、インパクトも十分。そんな大越は「AKB48さんなど、小さい頃からアイドルが大好きでした。始まりは(当時)AKB48の渡辺麻友さんでした」という。

「そこから様々なアイドルを見るようになっていったけど、家庭の方針もあって早くからオーディションに応募することは出来ませんでした」と続けた。長く憧れを抱き続けたからこそ、アイドルへの思いも人一倍強い。

いざグループに加入し、「人としてもパフォーマンス面でも特に大好きなのが、林瑠奈さんと、久保史緒里さん(25年卒業)です。ロールモデルでもあります」と新たな憧れも明かしてくれた。「こんなところまで準備していたんだ、ここを気をつけているんだ、とこだわりが見えて、何年もやってらっしゃる先輩方がそうやって成長しようとしているなら私は止まっていられないです」と刺激を受けているとも続けた。

大越との会話を通して、言葉や表現はやや控えめながら、その中にがむしゃらに努力する力強い姿勢が見えていることははっきりと感じられた。「○○が出来るようになりました」とはあまり言わない。その代わり、「○○を通してこうなりたい」「○○の期間にこう成長したい」と目標を定め、そのために何が出来るかを考える。「これからどうやって成長していこうかなって考えています」と話す姿は真っすぐな歩みを予感させた。

アイドルを志したきっかけの1つには「頑張っている、努力している女の子を見るのが好きだったので、自分もそうなれるならそうありたいなと思って応募しました」とも挙げていた。かつては憧れる側だったが、今では憧れられる側に立っている。「私が目指していたような女性になれたらと思って活動しています」という言葉も聞くことが出来た。25年2月に6期生として加入し、約1年半。憧れの像に近づくために重ね続ける努力は、必ずや憧れの連鎖を生む。【寺本吏輝】