MBSラジオが主催する新たな賞レース「関西みらい銀行presents MBSラジオ漫談王決定戦2026」が先日行われ、お笑いコンビ、宮下草薙の宮下兼史鷹(36)が初代王者に輝いた。

今年初開催となるラジオ発・話芸一本勝負のお笑い賞レース。審査基準は「音だけでおもしろい話芸」。4月1日時点で16~40歳の1256人が参加し、「音だけ、声だけ、しゃべくりだけ」のラジオという“音声のみ”のストイックなステージで頂点を競った。

ピン芸人No.1決定戦と言えば、ご存じカンテレ制作の「R-1グランプリ」がある。先輩の三宅敏記者も書いていたが、近年は映像や音響を駆使して立体的でデジタルな見せ方をする芸人が多い。一方で、漫談王ではラジオという舞台で視覚が遮断される分、道具に頼ることができない。「R-1」よりは「人志松本のすべらない話」に近いかもしれない。

ファイナリストの顔ぶれも多彩だった。普段はコンビで活躍する宮下やドンデコルテ渡辺銀次、ダブルヒガシ大東翔生、元令和喜多みな実野村尚平、ピン芸人のちぇく田、ガリガリガリクソン、真輝志、フリーアナの日下れいな、アマチュアの高校生藤原花和さん。ファイナリストのそれぞれが何げない題材を独自の視点で面白おかしく披露していた。

優勝した宮下は童話「ウサギとカメ」「金太郎」に独自の解釈を加えたネタで優勝した。プレスルームでは「あれは漫談か?」という声もあった。漫談といえば、西川きよしや村上ショージがやっているもの、矢野・兵動の兵動大樹の「おしゃべり大好き」的なものに慣れ親しんでいたので、そういう声があるのも理解はできたが、定義付けは学者の方に任せておいて、個人的にはおもしろければ何でもいいと思っている。

会場には宮下の相方・草薙航基の姿もあった。宮下によると「勝手についてきた」らしい。宮下が「草薙!俺、漫談王になったぞ」と呼びかけると、「うれしい!」と喜んだ。

宮下は優勝会見で「草薙が『宮下は漫談を100本持ってる』って周りに吹聴して、そのたびに『うそつき』と言われてた。なので、草薙が正直者だったと証明できて良かった」とコンビ愛をにじませた。こうしたこともあって、報道陣から「一緒に会見に参加しては?」「写真撮影だけでも一緒に」とすすめられた草薙だったが、「今日は宮下が主役なので」とかたくなに拒否。一歩引いて宮下の栄誉をたたえていた。

個人的に注目していた野村と藤原さんは結果は残念だったが、十分に楽しませてもらった。宮下草薙のコンビ愛にも触れることができ、良い大会だったのではないかと思う。同局関係者によると、第1回大会とあって試行錯誤の面もあったというが、大会終了後にMBSラジオの原厳一郎社長に「第2回大会に向け、弾みがついたのでは?」と水を向けると、「そうですね」とホッとした表情を見せていた。

宮下は「“初代”にしか興味がないので、2回目は出ないかも」と連覇に興味を示さなかったが、来年はどんなおもしろい話芸が飛び出し、スターが誕生するのか。期待したい。【阪口孝志】