大谷亮平(45)の主演映画「遥かな町へ」(錦織良成監督、10月9日公開)完成披露イベントが29日、東京・YEBISU GARDEN CINEMAで行われた。劇中で、大谷が演じた主人公の父を演じた滝藤賢一(49)が、おしゃれなスーツ姿で登壇し、客席を沸かせた。21年9月に初のファッションブック「服と賢一 滝藤賢一の『私服』着こなし218」(主婦と生活社)を出版した、芸能界でも有数のおしゃれとして知られているが、映画の監修を務めたテーラーの1着と紹介した上で「僕、お金、払ってますからね!」と、自ら注文し、仕立屋ことを強調し、客席を笑わせた。
滝藤は劇中で、主人公の中原博史の父与志雄を演じた。48歳の建築デザイナーの博史が故郷・鳥取県倉吉市に戻り、タイムスリップし14歳の体に戻ってしまった物語で、大人の博史を大谷、中学生の博史を及川桃利(15)が演じた。
物語の舞台は昭和30年代の倉吉市で、劇中に登場する「公休紳士服 中原洋品店」など、撮影現場は岡山市の老舗洋服店「テーラーロンドン」の店主が行った。滝藤は「着ているスーツは、僕は劇中で仕立屋でテーラーの役をやらせてもらって、監修をして下さったテーラーロンドンが仕立ててくれた。今日、初めて着れたことがうれしいですし、皆さんに映画を見ていただけることがうれしい」と説明した。その上で「僕、お金、払いましたからね! 僕は、お金を払って!」と念押しし、自ら笑った。
「遥かな町へ」は、漫画家・谷口ジロー氏の98年の同名漫画が原作。人生の折り返し地点を迎え“ミッドライフ・クライシス(中年の危機)”を迎えた48歳の中原博史が、14歳の中学生時代にタイムスリップし、友人や初恋の人・長瀬瀬智との再会、家族との時間を通して、自らの人生の選択を見つめ直す物語。「孤独のグルメ」(作・久住昌之)や「神々の山嶺」(作・夢枕獏)などで知られる谷口氏が、自身のオリジナルストーリーによって描き上げ、フランスのアングレーム国際漫画祭をはじめ、イタリア、ドイツなど数々の漫画賞を受賞。10年にはルクセンブルク、フランス、ドイツの合作で実写映画化もされたが、日本の監督とキャストにより新たに実写映画化された。
この日は、博史の初恋相手・長瀬瀬智子役の磯谷萌々子(15)と、博史の母和江を演じた戸田菜穂(52)も登壇した。滝藤は戸田と夫婦を演じたことについて聞かれ「戸田さんは、作品に向き合う姿勢が真摯(しんし)で、丁寧で勉強させていただいた。どうやってシーンに向き合うか、準備をするか、知りたくて撮影のない日に見学に行った」と明かした。戸田も「滝藤さんは映画への情熱がすごいなと…いい夫婦役、やらせていただいた。最後は悲しい感じですけど、いい時間を過ごさせていただいた」と滝藤に感謝した。
◆「遥かな町へ」 48歳の建築デザイナーの中原博史(大谷亮平)は仕事の出張帰りにふと故郷・鳥取の倉吉を訪れる。墓参りを済ませた帰路、なぜか彼は63年の町へと迷い込み、“14歳の自分の体”(及川桃利)に戻ってしまう。だが意識は48歳のままで、彼は思春期の少年として、再び家族と向き合うことになる。そこには若き日の母和江(戸田菜穂)、妹、祖母、そして、やがて突然、家を出て失踪する父与志雄(滝藤賢一)の姿があった。



