2日に他界した忌野清志郎さんと約40年の親交がある歌手泉谷しげる(60)が3日、都内で動画配信サイト「泉谷しげるのコラコラ放送局!」の発表会見を行い、忌野さんとの思い出を語った。

 2人が出会ったのは71年、渋谷のライブハウスだった。当時アマチュアの泉谷は、毎晩、忌野を見にライブハウスに通い続けた。通ううちに、忌野さんが「おもしろいヤツ」と泉谷を認め、一緒にステージに立つようになった。「あいつは『気が付いたら(泉谷が)同じステージに立つようになっていた』なんて言ってた。オレを引っ張り上げてくれたのはあいつ。あいつがいなかったら、今のオレはない。何でもおもしろがってくれて、オレは『こういう大人になりたい』と思った。天才は人に優しいんだな。恩返しもしてないのに、先に逝くなよ」とさけんだ。

 泉谷の「コノヤロー口調」も忌野さんの影響だった。「ステージで『バカヤロー』と言っていたのは、最初はあいつ。客に向かってこんな言い方があるんだと。『忌野、これもらっていい?』なんて言ってたら、今度はあいつはステージで『愛し合ってるかい』ですから。オレはあいつに『オレはバカヤロー路線でいく』といったら、上から目線で『そうしなさい、泉ちゃん』と。あいつの方が年下ですけど、上から目線でかっこよかったですね」。

 泉谷の中で、忌野さんは永遠のライバルだという。「あいつが死んだとは思いたくもないし、『顔を見に来てくれ』と言われましたが行きません。冥福なんて祈りません。告別式にも行かない。強いヤツにぶつかっていくのがオレの元気の源なのに、どうしてくれるんだよ、オレのこの元気。棺桶から引っ張り出してやりたい。(吉田)拓郎も含めて具合が悪いなんて『何やってるんだ、お前ら』と言いたい」。最後は「お前の自転車、売ってくれよ!」と叫んでいた。

 [2009年5月3日18時51分]ソーシャルブックマーク