東京都議会で6日、小池百合子知事の所信表明に対する代表質問が行われた。10月の衆院選後、初の論戦。「希望の党」を率いて国政進出を目指した小池氏の政治判断に、各会派から厳しい意見が続出した。衆院選敗北で党代表を電撃辞任し、「都政にまい進」を誓う小池氏にエールを送ったのは、都民ファーストの会だけ。四面楚歌(そか)の姿が浮き彫りになった。

 自民党の鈴木章浩氏は「継続性を無視し、思いつきで都政を混乱させてきた」と小池氏の手法を批判した上で、「(代表辞任は)小池氏を信じて投票した有権者を裏切る行為。何のための国政進出だったのか大いに疑問だ」と指摘。共産党は「乱暴に野党の分断を図った。小池氏の行動は、窮地にあった安倍政権や自民党を助けた」と批判した。

 小池氏は、「私自身の行動でご心配をかけた」と陳謝した上で、「信念に基づいた行動。選挙結果は有権者の判断で、当然尊重すべき」と述べるにとどめた。

 小池氏に反発し、距離を置く公明も「今多くの都民が求めているのは、知事が着手した改革や見直しに、自ら決着をつけること。政治は結果だ」と求めた。

 風邪気味の小池氏は用意した原稿を読む場面も目立ち、終了後、「ご指摘は真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。一方、自民の秋田一郎幹事長は「元気がなく、豊洲の話などで具体的な話がなかったことも残念だ」と述べた。また、国が、東京都の減収につながる地方消費税の配分見直しを検討し、「都税の収奪」と反発する小池氏が与党に陳情を続けていることに関し、「選挙であれだけ政権を批判され、今度は頼みますというのは難しい部分があるのではないか」と述べ、衆院選で生まれた国VS小池氏の溝の深さを指摘した。【中山知子】