出版社の宝島社は11日、新型コロナウイルス対策をめぐり「このままじゃ、政治に殺される。」との企業広告を全国紙3紙の朝刊に見開き2ページで掲載した。

戦争中に竹やり訓練をさせられた子どもたちの写真を背景に、中央には赤く丸い新型コロナウイルスをデザイン。キャッチコピーは「ワクチンもない。クスリもない。タケヤリで戦えというのか。このままじゃ、政治に殺される。」。さらに「私たちは騙されている。この一年は、いったい何だったのか。」「ごちゃごちゃ言い訳するな。無理を強いるだけで、なにひとつ変わらないではないか。今こそ、怒りの声をあげるべきだ。」などと続け、国などのコロナ対策を批判した。

同社はプレスリリースで広告の意図について「新型コロナウイルスの蔓延から、すでに1年以上。しかし、いまだに出口は見えない。マスク、手洗い、3密を避けるなど、市民の努力にも限界がある」「今の日本の状況は、太平洋戦争末期、幼い女子まで竹やり訓練を強いられた、非科学的な戦術に重なり合うと感じる人も多いのではないか」などと指摘。「コロナウイルスに対抗するには、科学の力(ワクチンや治療薬)が必要。そんな怒りの声をあげるべき時が、来ているのではないでしょうか」などと説明している。

掲載は日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞の11日付朝刊。同社は1998年から社会に伝えたいメッセージを企業広告で展開。今年1月には、子どもたちが教室の机を掃除する写真を使い「言われなくても、やってます。」というキャッチコピーの広告を出した。