19年にSNSで知り合った当時大阪市の小6女児と茨城県の女子中学生を自宅に誘拐して、強制性交、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)未成年者誘拐などの罪に問われた栃木県小山市の伊藤仁士被告(38)の控訴審判決が10日、東京高裁で開かれ、三浦透裁判長は懲役20年を言い渡した1審水戸地裁判決を支持し、控訴を棄却した。

被告側は少女らがSNS上に自殺願望を書き込んでいたことから「命を守るために(自宅に)避難させた」とし、茨城の少女との関係については「結婚を前提とした交際で違法性はない」と主張した。判決によると、伊藤被告は茨城の少女の顔面を平手打ちして暴力を振るい、裸を撮影した。また、大阪の少女誘拐時には警察の目をかわすための行動などをとった。三浦裁判長は伊藤被告の犯行について「性的関係を目的としたもの」「命を助けようとしている者として不適切」などとして、計画的に自宅に連れ込んだものと認定した。伊藤被告は判決を言い渡されると、右手を挙げて「はい」と一言、返事をした。