安田記念16着のナミュール(牝4、高野)が直線で抜け出し、昨年チューリップ賞以来1年半ぶりとなる勝ち星を手にした。殊勲の鞍上は短期免許初日の“マジックマン”モレイラ騎手。他馬の間から1頭違う脚いろで抜け出し、1馬身1/4差で押し切った。勝ち時計はレースレコードとなる1分31秒4。次走は未定も、久々の勝利をきっかけに大舞台を目指す態勢は整った。

待望の勝ち星はマジックマンのエスコートによってもたらされた。昨年のチューリップ賞以来の勝利だ。たまりにたまったナミュールの鬱憤(うっぷん)を、モレイラ騎手が直線での力強さに変えた。他馬の間から1完歩ずつ抜け出しを図る。残り200メートルを過ぎ、完全に先頭に立ってからも力は抜かない。他馬に実力差を見せつけるように豪快にゴールに飛び込んだ。モレイラ騎手は「強い勝ち方だった。後ろの馬が来ていたけど、馬に余裕があったし、これなら差されないという自信があった」と初コンビのパートナーをたたえた。

これで軌道に乗った。春のマイルG1連戦はともに不利があった。力負けではないことを信じていた陣営は、秋でリベンジを誓っていた。高野師の第一声は「いい状態なら、こういういいパフォーマンスをしてくれる馬です」と熱の入った言葉だった。重賞2勝ともにマイルでのものだが、オークス、秋華賞と2000メートル以上でも馬券に絡んだ馬。師は「レンジは広い。上手に走れるし、引っ掛からない。能力が高い。なんとかG1を取らせてあげたい」と話す。G1挑戦はこれまで7回。8回目の正直がどのレースになるか、興味は尽きない。【舟元祐二】

◆モレイラ騎手の重賞成績 富士Sは2回目の騎乗で初勝利。前回は18年のワントゥワンの2着。JRA重賞はセントライト記念をレーベンスティールで制したのに続く今年2勝目、通算6勝目。