・日本の幸福度は51位

 3月20日の国連幸福デーに合わせて、毎年、世界幸福度ランキングが発表されます。コロンビア大学が調査しているもので、世界155カ国のうち、日本の幸福度は51位(2017年)でした。

 日本はGDP世界3位の経済大国であり、世界トップの長寿国。もっと幸福度が高くてもいいはずなのに残念です。

・幸福はお金だけではない

 幸福度は、少なくとも経済的豊かさと正比例の関係にはないようです。

 年収と幸福度の関係についての研究では、ある一定の収入を超えると、収入の高さは幸福度と比例しなくなります。その境目は、内閣府の調査によると、年収1000万円。日本でこの年収に満たない人は約95%。でも、その人たちが幸福ではないなんてことはないでしょう。

・人生を楽しむ力が幸福につながる

 昨年秋、「人間の値打ち」(集英社新書)という本を出しました。資本主義社会に生きている以上お金は大切です。でも、経済的豊かささえあれば、人生の価値も高いというわけではない。それをこの本で言いたかったのです。

 人生の幸福度に影響を与えるのは、自由に、自分らしく、人生を楽しむ力があるかどうか。お金は、そのための道具にすぎない。

・人の役に立つ人生

 人生には、家族や友人を愛すること、愛されることを実感しながら、自分の能力を発揮できることが大切だ、とぼくは思っています。

 高齢になっても、お茶や食事を楽しめるような異性の友だちがいるのもいい。新しい趣味の世界を広げてもいい。最も大切なのは誰かのために役に立っていると実感できること。それが幸福な人生をつくるのではないでしょうか。