ナイキの新厚底シューズ「エアズームアルファフライネクスト%」が3月1日の東京マラソンで、大迫傑(28=ナイキ)の足元に“装備”されることが決定的となった。

号砲を翌日に控えた2月29日、都内でトップ選手のシューズチェックが行われた。注目の日本記録保持者と、井上大仁(27=MHPS)は靴底の厚さ3・95センチとされる話題の新作を持参した。一方で、設楽悠太(28=ホンダ)が持ってきたのは従来タイプで、新作の着用は見送ることになりそうだ。

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ナイキの新厚底シューズ×日本記録保持者の最速コラボが実現する。スタート地点・都庁近くのホテルの一室。シューズチェックの会場に、大迫は落ち着いた表情で姿を見せた。その手に握る白い袋の中には、ナイキの厚底シューズ「エアズームアルファフライネクスト%」が入っていた。長距離界で男女マラソンの世界記録更新など好タイムが続出し、話題を集めた厚底シューズ「ヴェイパーフライネクスト%」の後継モデルだ。

マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)で3位の大迫は、今大会で日本人トップなら、東京オリンピック(五輪)が大きく近づくレース。指導するピート・ジュリアン氏は「ナイキの新シューズを履くか?」との質問に「レースでのお楽しみ」と明言を避けたが、大迫が新モデルを“装備”することは濃厚だ。

ナイキは日本では3月1日から一般販売される「エアズームアルファフライネクスト%」を、すでにトップ選手に提供していた。大迫と井上は練習で、その感触に手応えを感じ、東京での導入に至ったようだ。この試作品を履き、世界記録保持者エリウド・キプチョゲ(ケニア)は昨年10月、記録は非公認の特別レースながら、フルマラソンで1時間59分40秒をマーク。新シューズも多くの記録を塗り替えていきそうな気配がある。東京はタイムが出やすいコース。それだけに期待も高まる。

一方で、2時間6分11秒の前日本記録保持者の設楽は従来モデルの「ヴェイパーフライネクスト%」を持って、シューズチェックの会場に入った。これまで体になじんでいるシューズだっただけに、大一番での変更は見送る決断をしたようだ。東京五輪代表の最後の1枠を巡る決戦。その足元にも注目が集まりそうだ。