男子でオリンピック（五輪）個人総合2連覇の内村航平（31＝リンガーハット）が種目別の鉄棒の演技を行い、15・700点の高得点で優勝した。

H難度「ブレトシュナイダー（コバチ2回ひねり）」を11月の国際大会、11日の予選に続いて試合で成功させ、続く離れ技も見事。予選ではわずかに乱れた着地もピタリと止めると、会場の拍手をあおって喜びを表現した。予選の15・533点も超え、19年世界選手権優勝者の得点、14・900点も大きく上回った。

内村は東京五輪での金メダルを目指し、今夏に種目を鉄棒のみに絞っている。

以下は優勝者インタビュー

－優勝について

鉄棒に絞って3戦目になり、ようやく鉄棒に合わせる能力が高まってきて、今回は結果、点数を抜きにして、自分の演技をしっかり出すのを目標にここにきたので、それができたかなと思います。予選も決勝も鉄棒からやるという初めてのことで、鉄棒だけで終わるのも。ましてや今日は1人だけで、3分後には演技をしないといけない。31歳の体にはしんどい体験をしたんですけど、それでも自分の演技をできたので、東京五輪に向けて鉄棒でいく上ではヒントになりました。

－さらに上が目指せる

難易度はもう少し上げていかないといけないのかな。久しぶりの試合で審判の人には点を出していただいてありがたかったんですけど、点数じゃない部分を目標にしている。どんな人がみてもすごい、美しい、人と違うと感じてもらう演技、高みを目指していきたい。

－東京五輪について

まだスタートラインにも立っていない。まだ何も始まっていない。率直には喜べない。結果とか点数に喜んでいる暇もないくらい、いますぐに練習してやりたい。なおさら気を引き締める感じですね。

◆内村の五輪への道　東京五輪の代表枠は最大で6人。4人が団体枠で選考されるが、1種目に専念した内村は該当しない。狙うのは最大2枠の個人枠で、来年のアジア選手権などで国として獲得できる。来春に予定される選考会の全日本選手権、NHK杯、全日本種目別選手権の結果で、代表権がかかる。種目別のスペシャリストは鉄棒だけでなく、他5種目の選手もライバルとなり、熾烈（しれつ）な国内の代表争いが待つ。