とうとう日本選手権(ダービー)まで…。競輪の中止ラッシュが止まらない。

参加選手の親族に新型コロナウイルス陽性者が出た2日からの玉野F2を皮切りに、中止になったのは47開催(28日現在)。4月に1走でもできた選手はまだいい。4月のあっせんが全て中止となった選手は、S級に限れば15%強の130人を超える。中には岩本俊介や松岡健介のように3場所も中止された選手もいる。

初日に中止が決まったなら、各グレードの総賞金の30%が均等に支払われる。しかし、参加前の選手に賞金が支払われないことは約款で決まっており、補償はない。日本競輪選手会から30万円までの枠内で無利子で融資を受ける制度があるそうだが「結局は借金だから」と選手は嘆く。

個人事業主である競輪選手には経済産業省から100万円を上限に持続化給付金が支給されるようだ。それでも、国会で補正予算が通過したあとの制度で、しばらく時間はかかる。

先の見えない中での練習は、モチベーションも上がらないだろう。4月に走れなかったある選手は「練習のためじゃなく、競走のために練習している。いつになればすっきり走れるようになるのか」と心中を明かした。また、ダービー出場予定だった選手は「ボート、競馬はやっているのになぜ? という思いはある。競輪もやっているところと中止のところがあって不公平感も残る」と話す。

いつになればコロナ騒動が終息するのか分からない中、選手の忍耐も限界に達している。