競輪祭の売り上げは、目標額に大きく届かず幕を閉じた。原因として「競輪フェスティバル」と称して、昼間の開催を多くしたことが挙げられる。

ファンは資金を、レースが多いから増やすわけではない。当たるから次のレースへの資金となる。当たりやすくする方法を考えないと「10日制G1」にまで行き着くのではないかと心配になる。

広島のファンが楽しみにしていた松浦悠士は残念ながら欠場となった。一昨年の負け戦で泣きながらインタビューに答え、昨年は見事雪辱のVを果たし、今年は競輪王にまでなった。地元G3は走りたかったろうが、その分、KEIRINグランプリ(GP)の活躍に期待しよう。

ヤマコウは競輪に対して確固たる考えを持つ諸橋愛に注目
ヤマコウは競輪に対して確固たる考えを持つ諸橋愛に注目

惜しくもGPを逃した諸橋愛が、意気消沈することなくこの大会に参加する。追い込み選手として、確固たる考えを持ち、実践する彼の走りを見ると「競輪は面白い」と率直に思う。競輪祭の決勝も「平原の後ろ」と即座にコメントした。因縁のある(周りが勝手に言っているだけだが…)木暮安由がいても「来たければどうぞ」というスタイルだ。リングの中央に諸橋がいて、木暮は外をぐるぐる回っている。これが諸橋の強さだと思う。

特選12Rは単騎のレースとなった。今の彼なら、空いたコースを突くのは手慣れたもので、逆にラインの番手を回る選手の方が、彼の居場所が気になるはずだ。彼のような選手が増えると、競輪はもっと面白くなる。(日刊スポーツ評論家)