サッカー現場発

復活果たした伊野波雅彦、ジョッキー親友偉業に勇気

FWカズが53歳5カ月10日で先発し、横浜FCが1-0で勝利したルヴァン杯・鳥栖戦(8月5日、駅スタ)。カズが最前線でチームを引っ張った中、最後方でチームを支えたのがW杯ブラジル大会日本代表のDF伊野波雅彦(34)だ。

横浜FC・FWカズ(左)とタッチをかわすDF伊野波(2020年8月5日撮影)
横浜FC・FWカズ(左)とタッチをかわすDF伊野波(2020年8月5日撮影)

2月末のリーグ開幕戦・ヴィッセル神戸戦以来、約半年ぶりの公式戦に臨んだ伊野波は、親友の活躍に刺激をもらってピッチに立ち、今季初の無失点勝利に貢献した。

その親友とは、競馬のG1宝塚記念でクロノジェネシスに騎乗し、6馬身差の圧勝を飾った北村友一騎手(33)。

2人の出会いは12年。伊野波が神戸に在籍していた時に異業種交流会で知り合い、年齢が近く、北村騎手がサッカーが好きだったこともあり意気投合。買い物や食事に出かけるなど交流を深めてきた。

伊野波はこれまで公式戦や遠征移動などで、北村騎手のレースをリアルタイムで見る機会はなかったというが、コロナ禍で2月末からサッカーの公式戦が中断しており、6月28日の宝塚記念はテレビの前でリアルタイムで観戦できた。

騎手はサッカーとは異なる“個人競技”。重圧を一身に背負う職業で、体重管理、メンタル面のコントロールなど友人の姿に学ぶことは多かった。北村騎手は昨年は中央G1で3勝を挙げるも、今年は大きなレースでの勝利から遠ざかっていた。レース史上最多のG1馬8頭が集結したグランプリで、2番人気の期待を背負い、歴史的圧勝を遂げた親友の偉業に、これまでにない感動を覚えた。

「強かったですね。スポーツがストップしていた中で、競馬のレースはやっていて、友だちの活躍を見ることができた。彼自身、今年の前半は苦しい戦いをしていたので。前半の最後のレースで、こうやって優勝してくれてうれしかったですね」

レース後、すぐに「おめでとう。久しぶりに感動しました」とメールを送った。

ちょうどサッカー界もリーグ再開が決まっていた時期で「別のスポーツで勇気づけられたので、次は僕たちが勇気づけられるようにやっていきたい」と意気込みを話していたが、太ももの筋膜炎を発症。痛みの再発もあり、7月は公式戦のピッチに立つことはできなかった。

そして8月に入って得たルヴァン杯の先発。約半年ぶりの公式戦も、持ち味のスピードと正確なフィード、カバリング、1対1の強さは健在だった。守備の要として無失点に抑え、リーグ戦4連敗と苦しむチームを救った。北村騎手の宝塚記念優勝から1カ月あまり。時間がたっても、親友からもらった刺激と感動は色あせていない。

現在34歳。中堅からベテランにさしかかる時期だ。伊野波は「まだまだ、僕より上でやっている人がいる」とカズ、中村俊輔、松井大輔の名前を挙げ、「サッカーに対してすごい情熱を持ってやっている。見ていると自然とやらないといけないという感情になる」と話す。

今後は、リーグ戦でも出場を重ね、若い守備陣をけん引していくだろう。秋のG1に向かう親友へ、今度は伊野波が感動を与える番だ。【岩田千代巳】

宝塚記念を制し、鞍上で1番ポーズをみせる北村友騎手(2020年6月28日撮影)
宝塚記念を制し、鞍上で1番ポーズをみせる北村友騎手(2020年6月28日撮影)

日刊スポーツのサッカー担当記者が取材現場の空気を熱く伝えます。

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