右膝の外側側副靱帯(じんたい)断裂から復帰したFW岩渕真奈(22)が、ラッキーな形で先制点をもたらした。後半14分から途中出場。同39分、MF川澄の右サイドからのクロスに、GKとDFが重なった。ゆったりとした弾道のクロスはGKを越え、背後にいた岩渕の頭に直撃。ボールは無人のゴールに吸い込まれた。「いい時間でいい形」。最高の時間での先制点。ベンチへ走ると、監督やチームメートに祝福されたが、勘違いもされた。「オウンゴールを自分のものにしたと思われました」と笑った。

 復活弾でもある。昨年8月に右膝を手術しており、7カ月ぶりの代表復帰。国際Aマッチでの得点は、昨年6月のW杯準々決勝オーストラリア戦以来だった。

 それでも手放しでは喜べなかった。後半ロスタイム2分、GKと1対1になりながら、シュートを打ちきれなかった。ラストプレーとなり、直後に試合終了の笛が鳴った。「あと1点取れたら。悔しい」と責任を背負った。あの場面で決めていれば、勝ち点3だった。「残り3つ絶対に勝たないといけない」と決意をにじませた。【上田悠太】