日本代表の新主将にDF吉田麻也(30=サウサンプトン)が指名された。森保一監督(50)は11日、国際親善試合パナマ戦(12日、デンカS)に向けた試合会場での公式会見で「キャプテンは今回、吉田麻也にやってもらおうと思っています」と明言した。就任後、ワールドカップ(W杯)ロシア大会のレギュラー6人を初めて招集した国際Aマッチで、吉田新主将がチームを引っ張る。

順当に選出されたというべきか。吉田が日本代表の新主将に指名された。森保監督は「彼は日本代表の中でもトップクラスの経験の持ち主でありますし、所属チームでも世界のトップのリーグで戦っている。自分自身が向上心を持って日々の準備からピッチ内で全力を尽くす。チームを機能させるため、周りとのコミュニケーションを取りながらやってくれているというところを見て決めました」と説明した。

吉田の国際Aマッチ出場試合数は通算86試合だが、先発でキャプテンマークを巻いたのは5試合。今回招集されたメンバーでは最多だった。2番目が通算109試合に出場しているDF長友で3試合。DF槙野と、森保監督の初陣となった9月11日のコスタリカ戦で主将を務めたMF青山が各1試合で続いていた。

吉田が日本代表で初めて主将を務めたのは、ハリルホジッチ監督時代の17年3月23日、W杯ロシア大会アジア最終予選UAE戦(2-0)。「プレッシャーは大きかったです。簡単に言うと、監督の次に責任を取らないといけないポジション。キャプテンは1人だけですから」と、その責任の重さを口にしていた。

今シーズンの吉田は所属するサウサンプトンでは出番に恵まれず、「この2カ月はサッカー選手として何もやっていない。手応えなくきた」という。それでも「いま1度、日の丸を背負う覚悟や責任、誇りを持って戦わないといけないというところを見せたい。先輩たちが築き上げてきたものを継承して、よりよい次の日本の歴史を作れるよう前進したい」と話し、チームを引っ張る立場としての自覚を言葉にしていた。

約8年間主将を務めてきたMF長谷部が今夏のW杯ロシア大会を最後に代表引退を表明し、吉田はその時「引っ張っていかないといけない」と涙を流した。吉田を含めたW杯のレギュラーが初めて招集された今回の日本代表10月シリーズで、吉田新主将がチームを引き締める。【石川秀和】