日本代表の森保一監督(51)が、東京オリンピック(五輪)も指揮を執る。日本協会(JFA)は8日、オンラインで技術委員会の事前協議を行い、東京五輪を森保体制で臨むことで意思統一した。新型コロナウイルスの影響で来年はA代表と五輪代表の活動期間が重なることを確認。五輪直前まで森保監督はA代表に専念し、A代表の横内昭展コーチ(52)が来年3月や5~6月の準備期間中は五輪代表の指揮を執ることになりそうだ。

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21年東京五輪も22年W杯カタール大会も、森保体制を貫く。JFAが8日の技術委員会関連会議で、森保監督の去就に関して主に2点を確認した。(1)A代表は森保監督が専念。(2)東京五輪は、本大会は森保体制で、それまでの準備過程は横内体制とし、本大会直前合宿から合体する。この2点が提案され、各技術委員も賛同したもようだ。

17年10月に五輪代表、18年7月にはA代表の監督に就任し、森保監督の兼務が決まった。だが新型コロナ禍で東京五輪が1年延び、予定が狂いはじめた。W杯アジア2次予選も延期になり、五輪の準備期間とW杯アジア最終予選の期間が重なってしまった。先月末にJFA田嶋会長が「まず現場で話し合ってほしい」と話していた通り、この日の会議で技術委員の意見をまとめた。今日9日の技術委員会で結論を出し、同日開かれる理事会で、反町技術委員長が説明する予定だ。

五輪代表は、A代表のIMD(国際Aマッチデー)にしか選手招集の強制力がない。来年はW杯アジア最終予選と日程が重なる。森保監督はアジア突破に専念し、同時期に組まれる五輪代表の強化試合などは、これまで監督代行を務めてきた横内コーチが指揮を執る。情報は共有しつつも二頭体制で来年3月、5~6月のIMDをそれぞれ戦う。森保監督がA代表に専念するプランもあったが、A代表の予定が組まれない7月には五輪代表として森保体制が再結成され、東京五輪本大会に臨むと思われる。

森保監督は7日に「五輪とかアンダー世代の代表ではなくA代表に絡むように活躍してほしい」と五輪世代にエールを送った。「A代表の力がある選手が金メダルの成果を出す」とも選手には伝えている。当然、W杯最終予選にも五輪世代の選手が呼ばれる。五輪本大会にはオーバーエージ3人を入れる予定で、A代表の選手がその候補となる。

東京五輪のメンバーにはMF久保やMF堂安、DF冨安らA代表組が多く選出されるはずで、しばらく五輪代表を離れる森保監督が本大会直前に戻っても違和感は少ない。五輪メダル&W杯予選突破へ、森保監督がしばしの間、五輪代表のタクトを信頼する“横内監督”に託すことになる。