水戸ホーリーホックは、後半の猛反撃で湘南ベルマーレを追い込んだものの、1点が取れずに力尽きた。

 MF船谷圭祐(31)は「負けちゃったらダメです。ああいう時間帯を、もっと増やせるように前半から出来れば、もっといい戦いが出来た。そこが課題」と唇をかんだ。

 この日はキャプテンマークを巻き、左サイドから多彩なパスを繰り出して試合を組み立てた。前半25分に右からのクロスボールを受けてシュートを放つと、後半29分には中央からドリブルで仕掛けて、ミドルシュートを打つなど、自ら得点を決めに行く姿勢が目立った。

 磐田ユースから04年にトップに昇格し、05年にはU-20(20歳以下)日本代表としてワールドユース(現U-20W杯)に出場。その後、鳥栖をへて14年に水戸に加入した。磐田時代は、左足の正確なキックから先輩・名波浩氏(現監督)の後継者候補と目されていた。名波氏本人からも、08年11月の引退時に「これからのジュビロを引っ張っていく選手。後継者という言葉が合うか分からないが、中心選手に育ってほしい」と、後継者候補に名指しされた。

 水戸では、名波氏が磐田でプレーしていた頃に背負った背番号7を着けて、中盤で全権を握る。昨季J1を経験した湘南相手にも、「やれるという気持ちはあったので、結果と一緒に持っていけたら良かった」と一歩も引かなかった。「まずは去年の13位を超えること…そこから6位以内に食い込めたら。J1昇格に関わるのが1番。やらなきゃいけないことはいっぱいある。しっかり練習したい」。船谷が今季を、J1未経験の水戸の歴史を変えるシーズンにする。【村上幸将】