ベガルタ仙台が、後半12分のFW石原直樹(33)のゴールを守りきり、FC東京に完封勝ちし、開幕からの連勝を2に伸ばした。仙台は、2001年(平13)に開業した同スタジアムの名称が東京スタジアムだった2002年10月26日のJ1第2ステージ第11節で0-2で敗れて以降、リーグ戦で1分け8敗、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)で2敗、さらに天皇杯でも1敗と公式戦12試合で1回も勝っておらず、味の素スタジアムでの公式戦初勝利となった。

 前半は、FWディエゴ・オリベイラを起点に、パスを回して攻め上がる東京を、仙台がはね返す展開が続いた。その中、互いに接触プレーが増え、セットプレーの際に両軍の選手がつかみ合うなど、ラフな流れになってきた。そして前半32分、仙台のCKの際に、東京FW前田遼一が左目尻から出血。その後、CKをはね返したMF東慶悟も倒れ、そのたびに試合が中断され、仙台サポーターからブーイングが起きた。

 同36分には、仙台DF板倉滉がドリブルで攻め上がる中、詰め寄った東がピッチに倒れたが、そのまま仙台がプレーを続行したことに、東京サポーターからブーイングが起きるなど、やや緊迫した空気が流れた。

 前半17分に仙台がMF古林将太の右クロスから、一方、東京も同38分にMF高萩洋次郎のスルーパスに抜け出したMF大森晃太郎がフリーでシュートを放つなど、決定的なチャンスを作ったが、いずれも決めきれず、前半は0-0で折り返した。

 後半12分、仙台が均衡を破った。かつて東京でもプレーしたFW阿部拓馬が右サイドから送ったクロスがDFにはじかれ、こぼれ球を拾ったMF永戸勝也がゴール前に折り返すと、石原が右足ボレーで合わせた。シュートは右ポストに当たり、ゴール左に吸い込まれた。