20年東京パラリンピックでメダル獲得を目指す世界ランク9位の日本は同12位イングランドに0-2で敗れ、決勝進出を逃した。前半を0-0で折り返したが、後半7分、18分にイングランドのエース、ダニエル・イングリッシュ(28)のゴールを浴びた。1次リーグA組を2勝1分けでトップ通過した日本は、今大会初黒星となった。

何かがおかしかった。1次リーグA組を2勝1分けでトップ通過。安定した守備と多彩な攻撃を誇った日本の姿が、この日は見られなかった。高田敏志監督(51)も首をひねった。「しっかり分析して(試合に)入った。勝てる可能性は高いと判断していた。確かに疲れはあったがコンディションも悪くなかった。油断ではないんでしょうが、負けるときはこんな流れになる」。

持ち味のプレスが効かない。21日までの3試合はホイッスル直後から高い位置で相手の攻撃を抑え込むことでリズムをつかんでいた。しかし、選手間の距離が間延びしてポジショニングも悪い。体格で勝るイングランド攻撃陣のドリブルを両サイドに押し込めず、何度も中央を突破された。GK佐藤大介(34)の好セーブもあって前半はスコアレスも、後半に2点を失って力尽きた。

主将の川村怜(30)、黒田智成(40)の両エースは相手陣に何度もボールを持ち込んだが、十分な体勢でシュートを打たせてもらえなかった。今大会から多用する自陣からの相手ゴール前へのループパスも、微妙な連係のズレから精度を欠いた。今大会チーム全3得点をマークしていた川村は「イングランドの強度を感じました。パス、ドリブルのパターンを読まれていた。厳しい相手でしたがゴールでチームに貢献したかった」と唇をかんだ。

昨年の大会、1次リーグ初戦で2-1と倒したイングランドに1年越しで雪辱を許した。しかし、まだ戦いは残っている。24日の3位決定戦の相手は世界ランク4位のスペイン。1次リーグ最終戦では1-0で勝っている。「切り替えて、必ず勝って終わりたい」と川村。20年東京パラリンピックの前哨戦をメダル獲得でフィニッシュしたい。【小堀泰男】