北海道コンサドーレ札幌が湘南に1-0で勝利し、今季リーグ戦ホーム初白星を挙げた。後半7分、CKからの流れでFW菅大輝(23)がスーパーミドルシュートを突き刺して先制。1点リードを守り切った。「いい左足を持っているので」と自負する武器で、待望の本拠地での勝ち点3を手にした。

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1万超の観客が入ったホームは、菅の1発で盛り上がった。6試合ぶりに決めた後半7分の先制ゴールは右CKから。相手守備にはじかれたボールは、ペナルティーエリア手前で待ち構えた菅の元へ。すかさずトラップから思い切り左足を振り抜いた。鮮やかな軌道を描き、決まった。ヒーローインタビューで「自分で言うのもあれですが、いい左足を持っているので。ミートだけすれば入ると思っていた」と話すと笑いと拍手に包まれた。大型連休初日、子ども向けの来場者プレゼントもあり、多くの小中学生の姿がスタンドにあった。「参考にして欲しいです」と照れ笑った。

MFやDFで起用されることが多いが、登録はFW。札幌U-18時代はエースだった。ユースの1学年先輩のMF高嶺からも助言を受け、当時を思い起こすようになり「シュートを意識するようになった」。前半13分に放ったシュートはわずかに上へ外れたが、手応えがあった。守備でも献身的なプレーを見せるが、元ストライカーとして、得点にも貪欲だ。

18年の就任から菅を評価しているペトロビッチ監督(64)は「彼に将来性を感じて起用し続けた。菅の内に秘めたメンタリティはドイツ人っぽい。年々成長してくれている」と、活躍に驚かない。昨オフに他クラブからオファーを受けても札幌残留を決断した23歳には覚悟がある。

1月30日に男の子が生まれたパパは「息子パワーが出ているのかな」と頼もしさが増している。リーグ戦10試合目でのホーム初歓喜は完封勝利。「ミシャさん(監督)が『ゴールデンウイークで勝ち点9を絶対取る』と言っていた。しっかり達成できるように」。3連勝を目指して“いい左足”が、さらに仕事を果たしていく。【保坂果那】

○…ペトロビッチ監督(64)が今季リーグ戦ホーム初勝利に安堵(あんど)した。試合前には「何が何でも勝つ」と選手に気合を入れていた。「ようやく成し遂げたことはうれしい。この勝利をサポーターにささげたい」と話していた。広島、浦和時代を合わせてJリーグ通算250勝目(J1で219勝、J2で31勝)を達成した。

▽ケガから復帰し、後半18分から6試合ぶり出場を果たしたFW小柏 久しぶりの札幌ドームでプレーできたことは、自分にとって幸せなこととあらためて感じられた。そのなかで結果を残すことができたら一番良かった。また頑張っていけたら。

▽フル出場し3試合連続無失点に貢献したMF宮沢 最後まで集中してできた。ホームで勝ちたい思いは強かった。勝った姿をサポーターに見せないと、来てくれるお客さんが少なくなる。いい試合をして、来てくれるようにしたい。