“バースデーボーイ”が躍動した。11日に28歳の誕生日を迎えた川崎フロンターレ・MF脇坂泰斗が、サンフレッチェ広島戦で得点を決めチームを勝利に導いた。

「1、2、3、ダー!」。クラブのレジェンド中村憲剛氏から背番号14とともにパフォーマンス隊長も引き継いだ男は、得点後にサポーターと喜びを分かち合い、約1万8000人が集まった等々力のボルテージをより一層高めた。

後半11分、中盤でボールを持つと、ダブルタッチで相手をかわし、右に展開。足を止めず、ペナルティーエリアに進入すると、FWレアンドロ・ダミアンからパスを受けて右足を振り抜いてゴールに突き刺した。

バースデーゴールは、記憶のある限り初めてだという。「たくさんの方に祝ってもらいながらのゲームが初めてだったので、幸せを感じた。いろんな人に言われたので意識していたが、チームが勝つことが一番。(得点は)まさかですが、結果勝てたので最高です」と素直に喜んだ。

得点シーンは、川崎Fらしく、人とボールが連動するクオリティーの高いものだった。脇坂は「瞬間、瞬間のポジションがよかった。そういったトレーニングをしているから3人目で受けるところは続けていきたい」と手応え十分だった。

チームは前節柏レイソル戦と全く同じ、平均年齢30・1歳のスタメンで4位の強敵に挑んだ。その中で脇坂は、前線から激しいプレッシャーをかける相手に対し、効果的なターンやパスで起点となり、圧力を回避。何度もチャンスを演出し、得点だけではない活躍を見せた。

副主将も務める脇坂は、アカデミーから大学を経由して18年に加入。昨シーズンから伝統の14番を背負ってプレーする。プロ6年目。チームを引っ張る立場になり「自分のプレーでチームを勝たせたい」と常々語るなど、リーダーの自覚は十分だ。

1試合未消化ながら、前半戦を終えて、チームは9位に沈む。鬼木達監督からは「毎試合決勝戦のつもりでやってくれ」と伝えられているという。「もう1つも落とせない。長期的に成長していくところと、1つ1つの試合に勝ち続けていくところを両方持ち合わせながらやっていきたい」と後半戦に向けて力を込めた。

前回得点を決めた鳥栖戦後、中村氏から「『ダー!』のところをもっとガッとやれ」と注文が入っていた。「次見ておいてください」と宣言していた通り、今回は、切れ味鋭く右手を振り上げた。今季はチームが不調な中、約1カ月間、出場機会が得られないことも経験したが、4月15日の名古屋戦以降は、出場停止の横浜FC戦を除いて全試合に先発出場している。「泰斗がいれば、何でもできる」。そんな存在になりつつある。【佐藤成】

【動画】川崎F脇坂泰斗28歳バースデーゴールは大きな大きな先制弾!

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