浦和レッズの田口誠社長と須藤伸樹マーケティング本部長が5日、天皇杯4回戦・名古屋グランパス戦(2日、CSアセット港サッカー場)で起きたサポーターの“暴徒化”騒動に関しオンラインで会見に応じた。田口社長は、スタジアムで騒ぐことで欲求を満たすだけのサポーターも、サポーターとして認めることを明言した。

SNSなどでは「相手に対して敵意を持って向かっていく一部のサポーターを排除すべき」などの声も挙がっている。田口社長は「スポーツの観戦の仕方はいろいろある。応援の仕方はそれぞれに任せるのは基本」とし「行為は認めないが存在は認めざるを得ない」と話した。

度重なる過激サポーターの違反行為で、クラブには過激サポーターの排除を求める声も届いていることも事実だ。だが、田口社長は「レッズがここまで大きくなったのを支えてくれたのも事実。では、ファン・サポーターは何かと考えたときに、根本的にチームにメリットがないことをするのはファン・サポーターでないと思っている。排除、おひきとりしてくれといっても法的な根拠がない。そこは難題。みなさんが楽しめる、いろんな応援ができることを、地道にコツコツつくりあげることしか信頼回復はないと思っている」とも述べた。

また「今後罰金が科せられた場合、騒ぎを起こしたサポーターに罰金を損害賠償として求めないのか」との質問も出た。田口社長は「賠償金をサポーターに科したら“金払っているからいいじゃないか”と起こりかねない。クラブの責任で払うのが妥当」とした。ただ、明確な器物破損のケースは、当事者に負担を追わせることがあり得るとの見解を明かした。