最後まで、愛される「ポンコツ」だった。川崎Fの11番FW小林悠(39)が23日、川崎市内で午前11時に会見し、来年1月1日をもって引退すると発表した。

「2027年の12月いっぱいで引退することを…26年ですね…。すいません」

最後まで、らしさ全開。花束を贈ったMF脇坂から「聞いていたより引退が1年延びていた」と笑われつつ「そういう天然なところも大好き」と涙もさせた。

10年の入団から川崎F一筋。直前の拓大4年時に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂し、プロ生活はリハビリから始まったが、頂点まで上り詰めた。優勝も得点王もMVPも経験。その後も大小の負傷に見舞われ続けたが、不屈の精神でチームの黄金期を築いた。

一方で、クラブ公式サイトの質問「ここだけはチームNO・1」に「ポンコツ」と記した。後輩からもイジられる天然ぶりは、調和も生む持ち味でもあった。

主将として先発した試合ではコイントスを忘れ、後半開始時に前半と同じサイドへ走って突っ込まれたこともある。ファンのサイン色紙には「二桁ゴール」を「二行ゴール」と書き間違え、SNSをにぎわせた。

39歳の誕生日に引退を発表し、今後は「指導者として」と意欲を示した。「特別、体格に恵まれたわけでもスピードがあるわけでもない中、得点をたくさん取れた。自分なりの考えがあってやってきた」と自負を込め、守備の穴を突く抜群の裏抜けセンスも含め、次代への継承が期待される。

「いつかフロンターレに戻れるように頑張りたい」

数々の得点とポンコツ伝説を残したように、第2の人生も、記憶に刻まれる指導者になる。【栗林真菜】