日本サッカー協会(JFA)は21日、都内でメディア向けのレフェリーブリーフィングを行った。扇谷健司審判委員長(55)は、18歳以下の「ユース審判員」に関するリスペクト文化の醸成に言及した。
次世代を担うユース審判員はJFAに登録されている審判員の約4割を占める。サッカーの普及、育成だけでなく、トップ審判員育成のためにも重要な審判層だが、彼らに対してピッチ上の選手、ベンチ、保護者からのクレームやSNS上の誹謗(ひぼう)中傷などが深刻化している。審判活動をやめるユース審判員へのアンケートでは、約5割が誹謗(ひぼう)中傷や文句を原因として挙げたという。
問題解決のために扇谷委員長が動いた。12月に鹿児島で行われるU-12サッカー選手権大会で、審判着に「U-18リスペクトワッペン」を着用する取り組みを実施する。
「U-18の審判員は心因性が高いんですよね。こういうの(ワッペン)をつけて、ユース審判員がやっているということを含めて理解してもらいながら試合をしていこうと思ってます。サッカーの世界には審判が必要です。審判の数が増えれば、日本サッカーがもっともっと楽しめる状況になってくると思う。まずは1回こういったものをやってみたい」
今夏のFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会にも参加した荒木友輔審判員もユース審判員として活動。U-12サッカー選手権大会を吹いた経験もある。若い頃から技術を磨き、世界トップの舞台まで上りつめた。日本サッカー界の進化のために、審判員の育成、裾野拡大は不可欠という認識がある。扇谷審判委員長「少しでも審判に対する理解を求めたいというのもありますし、もしかしたら、じゃあ自分もやってみようかなという審判員が出てきたらうれしい」と期待を寄せた。
審判員へのリスペクトを求める一方で、全てのリアクションを否定するつもりはない。むしろその反応が判定に生かされることもあり歓迎するが「過剰になったり、SNSに行ったり、必要のない、聞きたくもない言葉が発せられるということを私はなくしていきたい」という意識がある。
ミスはない方が良い。ただ審判も全力で取り組む中で失敗することもこともあるという認識がサッカー界全体で広がっていくことが望まれる。「レフェリーを守るために、日本のサッカーが良くなるために今こういうことをしなきゃいけない」と力説した。【佐藤成】



