日本代表MF南野拓実(27=モナコ)が6日、FIFAワールドカップ(W杯)史上初の8強をかけたクロアチア戦での敗戦から一夜明け、森保一監督(54)とのやりとりを明かした。

前夜のクロアチア戦は1-1のまま、PK戦に突入。蹴る順番は立候補制だった。

「PKには自信があった。決める状況になった時に1番か5番を蹴りたいなと思っていて、5秒くらい誰も手を挙げなくて、じゃあ俺がと」

強い気持ちで臨んだが、相手GKのセーブに阻まれた。敗戦が決まった瞬間、南野は両膝に手をついたまま涙に暮れた。

宿舎へ戻るバスに乗り込む直前、森保監督から声をかけられた。「PKを1番で蹴ってくれてありがとう。この大会で大変な役回りになったけど、いやな顔1つせずチームを支えてくれてありがとう」。南野は止まらない涙とともに「PK外してすみません」としか答えられなかった。

森保監督には感謝の思いがあった。リバプールでなかなか出場機会に恵まれない時も、代表に呼び続けてくれた。

「ビッグクラブに挑戦して試合に出られないから代表に呼ばれないと、ビッグクラブに挑戦できない選手が出てくると。森保監督には感謝しているし、森保監督だからこそベスト16の壁を一緒に越えたかったです」

前夜はミックスゾーンで言葉を発することはなかったが、この日は真っすぐな目で素直な感情を言葉にした。「個人的には絶対4年後のW杯でリベンジしたい。絶対に選手としてレベルアップしてこの場に帰ってきたい」。果たせなかった誓いは4年後に必ず。

▼記録メモ 日本-クロアチア戦はW杯史上31度目のPK戦。日本はGKリバコビッチに南野、三笘、吉田の3人のキックが防がれた。1度のPK戦でGKに3本止められたのは、06年大会準々決勝のイングランド(ポルトガル戦、GKリカルド)、18年大会決勝トーナメント1回戦のデンマーク(クロアチア戦、GKスバシッチ)に次いで3チーム目。