B組は最後の最後にドタバタ劇が待っていた。ポルトガルは1点リードの後半ロスタイムにビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)でイランにPKを献上。同点とされ、あわや逆転の場面も。数分間で首位から一気に1次リーグ敗退危機まで味わい、1-1で最終的に2位通過となった。スペインはモロッコ戦の後半ロスタイムにVARでオフサイド判定が取り消され、土壇場に2-2の同点で1位通過。映像の力で右往左往の優勝候補2強となった。
ポルトガル守備陣が一斉にボールの行方を追った。時計は後半48分53秒、エリア内左からFWタレミに打ち込まれたシュートがゴールへ向かう。ゴールネットが揺れた…、かに見えた一発はギリギリでサイドネット。決められていれば逆転弾で組3位に落ち、ワールドカップ(W杯)からのサヨナラを告げる急転直下の一撃となっていた。
前半45分にFWクアレスマが先制点を挙げ、途中経過でスペインを抜き首位に立った。ただ後半8分のPKをFWロナルドが外すと、暗雲は後半43分51秒。DFセドリックの手にボールが当たり、VARが発動された。2分以上の長い確認の末にPK判定。決められて同点とされた。逆転危機を呼んでしまった。サントス監督は「決勝トーナメントに進めなかったら大失敗だったがそうはならなかった」と安堵(あんど)した。
一方その頃、スペインもモロッコ相手に苦しんでいた。後半36分に緩慢な守備で与えたCKから1-2となる勝ち越し点を許した。22試合ぶりの黒星が迫る。ただ、10年大会覇者は意地を見せた。45分9秒、右CKから短くパスをつなぎ、DFカルバハルが低いクロス。これに途中出場のFWアスパスが技ありヒールで合わせ、ゴールに流し込んだ。主審はオフサイドを判定も、VARに。1分46秒後、長い確認でゴールが認められ、これで首位を奪い返した。
接戦続きだったB組。今大会から導入されたVARに影響され、ロスタイムに順位が入れ替わった優勝候補2カ国。数分間の出来事で入れ替わった1位と2位。その差が頂点への歩みにどう影響するだろうか。



