バルセロナが終盤のFWルイス・スアレス(30)のゴールで、アウェーのAマドリード戦に引き分けた。

 カタルーニャ州の独立投票以降初めての試合となった一戦。試合前からスペインを讃える歌がスタンドから聞こえ、先発メンバー発表の際にはDFピケに一番のブーイングが飛び、普段では見られない多くのスペイン国旗がスタンドを埋め尽くした。

 笛が鳴った直後、ビッグチャンスをつかんだのはアウェーのバルセロナだった。右サイドからメッシがエリア内に侵入しGKに向かうが、DFがクリア。試合はバルセロナがボールを持つ展開で進んでいくが、Aマドリードは前半8分、9分にFWグリーズマンがチャンスを作り、GKテル・シュテーゲンの守るゴールを脅かした。

 そして同21分、この試合の初ゴールが生まれる。左サイドでゲームを組み立てたAマドリード、MFカラスコのパスを受けたMFサウールが中へボールをスライドさせ、エリア手前から利き足でない右足を振り抜くとテル・シュテーゲンの手の届かないゴール右に突き刺さった。

 追いつきたいバルセロナ。同43分にメッシが単独突破を目指すがAマドリードDFの守備網に引っかかる。ファールがあったと抗議するアルゼンチン人FWは不満を露わにした。

 前半以上にバルセロナがボールを支配する展開となった後半、12分のメッシのFKは左ポストを直撃。同点に追いつきたいバルベルデ監督は、MFイニエスタ、DFセメドに代えて突破力のあるFWデウロフェウとMFセルジ・ロベルトを投入し攻撃に厚みを加えていく。

 同25分、MFラキティッチの突破からメッシがチャンスを掴むが、アルゼンチン人FWのシュートはわずかにゴール左に外れていく。さらにバルセロナは同34分、ラキティッチに代えてFWパウリーニョを投入しパワープレーにシフトしていく。同35分、スアレスがエリア内で好機をつかむが、GKオブラクが好守を見せゴールを許さない。だが、次のチャンスをウルグアイ人FWはものにする。同36分、右サイドを上がったセルジ・ロベルトのクロスを頭であわせた。オブラクも反応しボールに触るものの、勢いを止めることは出来ずネットを揺らした。

 さらにバルセロナはカウンターから同43分にチャンスをつかむ。MFアンドレ・ゴメスからのスアレスへのパスはわずかに合わなかったが、通れば1点ものの決定機だった。ロスタイムの3分、Aマドリード陣内で試合は進んでいく。ラストプレー、中央でFWのチャンスをバルセロナはつかむ。キッカーはもちろん、メッシ。強烈な一撃は壁を抜けたがオブラクの正面。1対1の引き分けと2チームを追うRマドリードが一番喜ぶ結果で終了した。

 バルセロナのバルベルデ監督は「今日の試合の感触はポジティブなものだ。この勝ち点を評価しないといけないし、偉大なライバルと戦った。アトレティコのDFラインを崩すのは簡単ではないが、後半はより攻めることが出来た。素晴らしい試合をした」「スアレスはゴールだけじゃなくいいプレーをしていた。ゴールを決めた時自信は深まるもの。ゴール以外にも決定機をつかんでいた。混雑したゴール前で良い動きをしていたし、この調子が続くことを望んでいる」などと話した。

 首位バルセロナは7勝1分けの勝ち点22。3位のAマドリードは4勝4分けで勝ち点16となった。(山本孔一通信員)