【マドリード=高橋智行通信員】初優勝を目指すアトレチコ・マドリードが、バルセロナとのスペイン対決に1-2で屈したが、2戦合計3-2と制した。今季終了後に米MLSへ移籍する元フランス代表FWアントワーヌ・グリーズマン(35)が決勝点を演出し、16-17年以来9シーズンぶりの4強入りを果たした。連覇を狙うパリ・サンジェルマン(フランス)はリバプールを2-0で下し、2戦合計4-0と完勝した。

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「Wow!!!!」。本拠地メトロポリターノは歓喜に包まれた。バルセロナの猛攻をしのぎ、Aマドリードが9シーズンぶりの4強をつかんだ。グリーズマンは誇らしげに、スタンドのサポーターの笑顔を見つめていた。

「とてもうれしい。こういう試合ではミスが大きな代償になることがある。2失点目は自分のポジションが悪かったため、ボールロストしてしまった」

前半24分に自身のパスが相手に渡り、その波状攻撃から失点していた。それを帳消しにすべく、一流の技を披露した。

前半31分、中盤からダイレクトで右のオープンスペースへスルーパスを通した。MFジョレンテがフリーで抜け出し、ゴール前のMFルックマンへ渡り、唯一の得点が生まれた。一瞬のひらめき。このプレーが決勝点となった。

「Wow!!!!」。インスタグラムに歓喜の言葉をつづり、投稿したのは23年6月29日。世界に1枚という大谷翔平の限定トレーディングカードを手にし、子どものようにはしゃぐ動画を披露した。MLBやNBAといった米プロスポーツの大ファン。今季終了後、その米国へ向かう。MLSオーランド・シティーへ移籍する。負ければ最後のCLとなるところだった。

シメオネ監督は「彼は私が愛していることを知っている。時間がたつにつれ、我々がかつて天才を擁したことに気づくはずだ。彼は信じがたい選手。このクラブで残された時間の中で、彼が求めているものを神様と運命が与えてくれることを願っている」。フランス代表でW杯に3度に出場し、18年は優勝、22年は準優勝と数々の栄光を築いた男。「我々にはサポーターの熱狂的な応援とクオリティーがある」。残すところはCL初制覇での有終の美だ。