スペインサッカーが再び世界の頂点に立った。

前回22年カタール大会では1次リーグ最終戦で日本に敗れ、決勝トーナメント1回戦でモロッコにPK戦で敗北している。そこから3年半でどう代表チームを立て直したのか? ルイス・デラフエンテ監督(65)の手腕、その哲学をひも解く。

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デラフエンテ監督とはマネジメント能力に優れた監督だ。優勝後の会見で「非常に競争力の高い素晴らしい選手グループと仕事ができたこと、そしてスポーツの枠を超えた彼らの素晴らしい振る舞いに感謝したい。試合を動かし、歴史を作っている主人公はまさに選手たち」と話した。チーム戦術の前に人ありきが鉄則。良き人間が組織力を高めるという考えの持ち主だ。

3年半前の失敗から立ち返った。スペインには脈々と続くパス戦術「ティキ・タカ(テンポ良くボールを回す)」がある。10年南アフリカ大会を制した時は中盤にシャビ、イニエスタらがいた。ただ戦術のトレンドは時代とともに攻略されるもの。22年カタール大会でボール支配にとらわれたルイス・エンリケ監督は敵陣でスペースを作り出すことに苦しんだ。

そこでデラフエンテ監督は初陣となった23年3月25日のノルウェー戦以降、ポゼッション至上主義からの脱却。サイドアタッカーのスピードを生かしたカウンター、ボールロスト後のハイプレスという戦術を掲げた。そして両サイドを使ったウィングを重視。後方からククレリャらの攻撃的なサイドバックを絡ませる攻撃を構築した。

もともとU-19やU-21の育成年代で長く指導し、結果を出した指導者。その当時に指導したオヤルサバルやトレスら多くの選手が現チームにいる。そして育成指導者とは、良き教育者という面を持ち合わせている。デラフエンテ監督はいみじくもこう話した。

「目の前にある仕事、与えられたチャンスに感謝し、日々全力を尽くすことだけを考えていました。ただ、この場所にたどり着き、自分たちの進んできた道を振り返った時、何より重要だったのはプロセスだと思います。私たちは単に勝ちたいというだけでなく、どのようなサッカーをし、どう成長していくかという基盤を築いてきました」

16年前の優勝チームを指揮したデルボスケ監督は「聖人」と呼ばれる人格者だった。そしてまた今回のデラフエンテ監督も同様だ。ゆえに一体感ある結束力の固いチームに仕上がった。【佐藤隆志】

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