陸上の日本選手権が23日から3日間、大阪・ヤンマースタジアム長居で開催される。注目は、3枠を争う世界選手権(8月、ロンドン)代表選考も兼ねた男子100メートル。桐生祥秀(21=東洋大)、山県亮太(25=セイコーホールディングス)、ケンブリッジ飛鳥(24=ナイキ)のリオ五輪リレー銀メダル勢に、一躍時の人となった多田修平(20=関学大)、200メートルにもエントリーしているサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)ら、日本人初の9秒台へしのぎを削る選手らによる激戦となりそうだ。誰が勝つのか? 9秒台は出るのか? 注目選手と見どころを紹介します。

◆展望◆ 昨年のリオデジャネイロ五輪陸上男子400メートルリレー銀メダルの桐生、山県、ケンブリッジの3人(飯塚翔太は今大会、本職の200メートルでエントリー)が最有力と見られていたが、多田が10日の日本学生個人選手権準決勝で追い風参考ながら、電気計時で日本人3人目の9秒台となる9秒94をマーク。公認記録となった決勝は歴代7位タイの10秒08で優勝し、世界選手権の参加標準記録10秒12を突破した。

 多田が名乗りをあげたことで3枠をめぐる争いは一気に激化。今季3度の10秒0台と好調を維持する桐生、右足首の状態の不安こそあるが安定した力が持ち味の山県、追い風参考ながら9秒98を4月にマークしたケンブリッジ。世界選手権の参加標準記録を突破しているこの4人の中から1人は落選することになる。

 15年の世界ユース選手権2冠を達成したサニブラウンは100メートル、200メートルともエントリー。ハイレベルな争いで、9秒台の期待も高まる。

◆世界選手権代表の内定条件◆ (1)派遣設定記録S(9秒89)を突破。(2)参加標準記録(10秒12)を突破し日本選手権優勝。(3)派遣設定記録A(9秒98)を突破し日本選手権3位以内の最上位。(4)参加標準記録を突破し、日本選手権で3位以内の選手、参加標準記録を突破し日本選手権以外の選考レースで日本人1位かつ日本選手権にも出場した選手、派遣設定記録Aを突破し、日本選手権8位以内の選手、強化委員会の推薦があった選手から選考。日本選手権で優勝ならば内定。3着以内に入れば、選考条件を満たす。