「百戦錬磨のプロランナー」だ。男子マラソンの川内優輝(32=あいおいニッセイ同和損保)が2日、都内であった大手スポーツメーカー、アシックス社とのアドバイザリースタッフ契約会見に出席。3月末に埼玉県庁を退職し、プロ初仕事で「最強の公務員ランナー」に変わる愛称の希望を口にした。通算92度のフルマラソンを走る男にはぴったりのキャッチコピーで、新たな道を進んでいく。
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プロとなった川内は新愛称の希望を問われた。「プロランナーというのは普通の呼び方」。求めるのはもっとキャッチーなもの。「やはり」と言い、いつものように早口でまくしたてた。
川内 百戦錬磨のプロランナーと呼ばれたい。今年中にはフルマラソンの回数が100回に行くと思う。そうなると名実ともに百戦錬磨のプロランナーと呼ばれてもおかしくない。
大台までは残り8回。調整次第だが、代表選出が確実視される今秋の世界選手権(ドーハ)でメモリアルを迎える可能性もある。
ただ「百戦」で止まるつもりはない。昨年3月には「2時間20分以内における最多完走数」78回がギネス世界記録と認定された。だが「半端な数。100回になって申請すれば、またオッケーだと思う」。現在87回。来年に達成するであろう節目のタイミングで再申請し、塗り替える可能性を示唆した。「また120、150回と申請していければ」。そうなれば“百五十戦錬磨”となりそうだ。
新元号の印象について聞かれると「私も市民ランナースタイルを打ち破ってプロとなる。元号が変わるような大きな変化ができるよう精進したい」。1日2時間だった練習、ケアの時間は4時間以上となり、自分への期待感もあって、豪快な言葉で答えた。ただ財布は公務員時代と変わらず、プロでも倹約路線を貫く。新たなスタッフと専属で契約する予定はない。
「チームを組むと、人件費が大変。プロになる人は、人件費が数年で立ち行かなくなることがある。私は長くやっていきたい」
百戦錬磨を自負するプロは豊富なレース経験だけでなく、マラソン界で長く生き残る処世術も心得る。【上田悠太】
◆川内の今後のマラソン予定 ボストン(4月15日)、バンクーバー(5月5日)、ゴールドコースト(7月7日)、ニューカレドニア国際(8月25日)、日本最北端わっかない平和(9月1日)の5つのマラソンは出場が発表されている。秋の世界選手権も日本代表入りが確実視される。

