【ウォリック(英国)28日=岡崎悠利】ラグビーW杯イングランド大会の日本代表は31人中10人が海外出身選手だ。その1人、NO8ツイ・ヘンドリック(27=サントリー)はニュージーランド出身で、日本で長くプレーしたいと14年に日本国籍を取得した。10月3日の1次リーグ第3戦で対戦するサモアは両親の母国。思い入れのある相手との一戦で、日本のために体を張る。日本代表はサモア戦に向けて本格的な練習を再開した。
ツイはリラックスした表情でグラウンドに入り、公開された練習の冒頭ではダッシュなどで体を動かした。海外出身者が日本代表でプレーすることについて、こう語る。「よく思わない人がいることは分かっています。でも、もし自分と1人の人間として接することがあれば、変わってくれるんじゃないでしょうか」。今回の代表31人中、海外出身者は10人。「自分だけでなく、すべての選手に会って話せば、どれだけ日本に貢献したいか分かると思う」と続けた。
19日の南アフリカ戦で先発し、23日のスコットランド戦でも途中出場。次戦で対戦するサモアは特別な相手だ。父ラヴェさん、母アソファさんはサモア人。高校まで過ごしたオークランドの実家ではサモア語で生活し、サモアの価値観で育った。「両親が誇りに思える存在になりたい。だから倍努力する」。常に全力のツイが、さらなるハードワークを宣言した。
大学選手権6連覇中の帝京大出身。両親の反対を押し切り来日し、日本の学生が練習する姿に感銘を受けた。「それまでは、そこまで真剣に取り組んでいなかった。日本でラグビーへの愛も深まった」。夢はNZ代表「オールブラックス」から日本代表に変わり、12年から日の丸を背負う。
南ア戦の翌20日には、FB五郎丸がツイッターに「注目されている今だからこそ、日本代表にいる外国人選手にもスポットを」とつづり、反響を呼んだ。ツイは「日本は大切な国。日本に対する愛はみなさんと変わらないくらい。自分が持っているものをすべてささげ、貢献したい」と言う。両親の母国との対決でも、ツイの目には日本の勝利しか映っていない。
◆ツイ・ヘンドリック 1987年(昭62)12月13日、ニュージーランド・オークランド生まれ。ポジションはフランカー、NO8。帝京大時代には10、11年と大学選手権を連覇。11年にパナソニックに加入し、12年に日本代表に初選出。13年にサントリーに移籍。昨季は「スーパーラグビー」に挑戦し、レッズ(オーストラリア)で公式戦にも出場。189センチ、107キロ。


