リオデジャネイロ五輪柔道男子60キロ級代表の高藤直寿(22=パーク24)が、一層語気を強めて言った。22日に横浜市内の桐蔭横浜大で公開された男子代表合宿。「思いを無駄にできない。僕を選んでくれた(井上)先生に、負けたり、中途半端は裏切りだと思う。死にものぐるいといままで中高でも言ってきたが、本当にそれをするのはいまだな。1日1日大切にする」。井上康生監督にささげる金メダルを人一倍強く誓うのは、熱い言葉をかけられたから。
今月上旬の全日本選抜体重別選手権では準決勝で敗れながら、初の五輪代表に選出された。13年の世界選手権優勝以降も、選考の対象となる過去2年間の国際大会、対外国人への対戦成績などを考慮されたためだったが、ライバルとなる志々目徹は全日本選抜体重別で優勝していた。代表決定後、決断を下した井上監督に言われたのは「オレはお前に賭けたから」。
最後まで志々目と競り合う中で、自分を選んでくれたことに、「リオで金メダルは宿命。取って当たり前と世間は思っている。その中でインパクトある五輪王者になりたい」と期するものがある。実際、最軽量級の60キロ級は競技初日に登場して、チームの流れを決める役割も持つ。「僕次第で金メダルの数が変わるというのは感じているし、理解している。重圧受けすぎて勝てないのではなく、その中で勝てる選手になりたい」と使命感を口にする。 型にとらわれない我流の柔道は、伝統的な一本柔道の系譜とは一線を画する。「いろいろな技の幅を広めたい」と本番へさらなる進化を図る最中。誰もが認める唯一無二の柔道スタイルで、恩師に報いるべく頂点に立つ。


