女子はSP首位の坂本花織(16=神戸ク)が初優勝し、2季ぶり2度目の世界ジュニア選手権(3月15日開幕、台北)出場を決めた。「誰にも負けない」という自慢のジャンプが光り、フリー2位の124・52点をマークし、非公認ながら自己ベストを上回る合計191・97点で逃げ切った。
滑り終えると坂本は思わず頭を抱えた。最初の3回転連続ジャンプを成功させた瞬間、「今日はいける」と確信。高いジャンプを次々と決めたが、中盤の連続ジャンプの1つ目の着氷で乱れた。だが、失敗はそれぐらい。「1つのミスが命取りになる」と完璧を求めたゆえの、悔しさだった。初優勝に「うれしい」と目をくしゃっとさせ喜んだ。
誰もが3回転連続技に挑戦する、高いレベルの戦いを制した武器は「誰にも負けない」という飛距離のあるジャンプだ。踏み切りから着地まで、ぴょーんと高く、長く跳び上がる。その感覚は実は幼少期に育まれていた。母悦子さんに「普通に歩きなさい」と注意されるほど「移動手段がジャンプ」。どこに行くにも、ぴょんぴょん跳んでいた。
優れた感覚に加え、今季は脚力がアップ。夏の盛岡合宿で、盛岡駅と練習場までの約2・5キロの往復を10日間走り込んだおかげで、脚に力が増した。それが踏み切りに、伸びのあるジャンプに生きる。厳しい指導で知られる中野コーチも「ジャンプが完成されてきた」とたたえる。
既に出場を決めている12月のジュニアGPファイナル(フランス・マルセイユ)に続き、2季ぶりの世界ジュニア選手権の切符を手にした。自信にあふれる坂本は「(どちらも)表彰台にあがりたい」と笑顔で宣言した。現在16歳で、来季からシニアの大会に出場予定。18年の平昌五輪に向けて「シニアの選手が優先されると思いますが、思いきって(狙って)いきたい」。誰にも負けないジャンプで壁を越える。【高場泉穂】
◆坂本花織(さかもと・かおり)2000年(平12)4月9日、神戸市生まれ。4歳でスケートを始める。15年の世界ジュニア選手権6位、全日本ジュニア選手権5位。今季のジュニアGPではフランス杯2位、日本大会優勝で、初のファイナル出場を決めている。156センチ。血液型B。特技は折り紙。


