2月14日、ハースF1チームは全チームの先陣を切って2018年型マシンを発表した。

 今季から導入されたドライバー頭部保護装置HALO(ヘイロー)が付くコクピットが印象的だが、それ以外の車体規定に大きな変更はないためマシン全体としては昨年型と似たフォルムとなっている。チームオーナーのジーン・ハースは「我々は自分たちの弱点を潰して安定性のあるマシンとし、上位チームとの差を縮めることに集中した」と語り、見えない部分の軽量化によってバラスト搭載量を増やし、各サーキットの特性に合わせた重量配分セットアップの幅を広げることでパフォーマンスと成績のさらなる安定化を目指すとしている。

 しかし車体側面の冷却風取り入れ口をフェラーリの昨年型マシンのように複雑化するなど進化させたほか、規制が強化された車体後方のシャークフィンと呼ばれるパーツは小型化し、Tウイングと呼ばれた小型フィンは姿を消すこととなったが、規制の抜け穴を突くかたちでシャークフィン後方下端にTウイング状のフィンを残している。

 2016年にF1参戦を開始したハースは、フェラーリとの技術提携によりパワーユニットやギアボックスのみならず、車体開発面においてもトップチームの技術を利用してマシンを開発。参戦初戦で6位入賞を果たし初年度からランキング8位に入るなど実力の高さを見せた。3年目となる2018年はさらなる浮上を目指している。ロータスでロマン・グロージャンのレースエンジニアを務めてきた小松礼雄(あやお)がチーフエンジニア(現場技術責任者)としてチームを率いていることでも知られる。(米家峰起通信員)