スポーツクライミングのボルダリングW杯に出場する日本代表が10日、今季開幕戦(13、14日、スイス・マイリンゲン)に向け羽田空港からの出発前に取材に応じた。

 W杯出場年齢制限をクリアし今季からW杯に初参戦する伊藤ふたば(15)は「ずっとW杯に出たかったので何よりも楽しみ。チャレンジャーの気持ちで」と期待をふくらませた。W杯では国内大会よりも筋力を使って登る課題が多い傾向にあることから「パワー系の課題を何度もやった」と準備も整えてきた。「ボルダリングの年間総合で10位以内に入ることが目標。今年はジャカルタ・アジア大会と世界選手権にも出場したい」と意気込んだ。

 昨季W杯のボルダリング、スピードを含めた3種目の獲得ポイントで争う複合で優勝している楢崎智亜(21)は「苦手なじわじわと登る課題の練習に重点的に取り組んできたし、全体の練習量も2倍くらいに増えている。今年は世界選手権で優勝したいので、それに向けて頑張りたい」。スピードの国内ランキング1位の楢崎は第2戦のモスクワ大会ではスピードにも出場する。今の自己ベストは7秒16で、「6秒8を目指したい。日本人がまだ言ったことのない6秒台を出したい」と頼もしかった。

 2月のボルダリングジャパンカップを制した野口啓代(28)は「昨季よりも冬場のトレーニングで準備がしっかりできていて、国内大会も順調に来ている。W杯も良いスタートを切りたい」と笑顔で話した。