柔道女子70キロ級世界女王の新井千鶴(24=三井住友海上)が意識改革した。

 グランプリ・フフホト大会(25~27日、中国)に出場するため22日、羽田空港を出発。出発前に取材に応じ、「ネガティブなことは全て消した。今、何をすべきかに集中する。ずっと2位が続いているので優勝したい」と決意を新たにした。昨年の世界選手権後、3大会連続で2位が続いている。

 4月の選抜体重別選手権からの1カ月弱で技術とともに「心のバランス」について自己分析した。「これまでは(世界女王として臨む)試合で『絶対に勝たないと』という思いが強かった分、不安も大きかった。練習しても『これで良いのかな…』というネガティブな自分もいた。いろんな葛藤がある中、自分自身を見つめなおして『挑戦者の気持ち』が欠けていると思った。過去、未来を考えずに『今』をやり切ることの大切さを感じた」。己と向き合い、冷静に自身を見つめなおした。

 9月の世界選手権(アゼルバイジャン)代表は大野陽子(28=コマツ)に続く、2枠目での選出となった。「出られることに感謝。再び、世界の舞台で闘える喜びとともに、2連覇を全力で取りにいきたい」。一皮むけた24歳の世界女王は、覚悟をもって機上の人となった。