カヌースラローム:NHK杯<第1日>18日◇葛西カヌースラロームセンター

東京五輪の日本代表最終選考会を兼ねた大会で、リオ五輪男子C-1(カナディアンシングル)銅メダルの羽根田卓也(32=ミキハウス)が東京五輪出場をほぼ確実にした。

予選1本目を93・83で終え、準決勝進出が決定した。これにより体力温存と、軽度の体調不良を考慮して2本目は回避。台風19号の影響により、海外選手の欠場が相次ぎ、23人での争いとなったため、20日の準決勝には出場全選手が進出する。大会規定により、決勝には日本人3選手が出場可能で、今大会の日本人出場選手は羽根田、佐々木、谷口の3人であるため、選考レースのポイント争いでリードしている羽根田は、決勝に出場した時点で、東京五輪出場が決まる。

この日はゲートに接触するミスもあったがタイムには満足。「ペナルティーがあったが、いいタイムが出た。70~80点かな」と準決勝、決勝に向け順調な調整をアピールした。

8月に本番となる同会場で一足先に練習。流速や激しさはないが、変化の多いコース。海外選手が初体験で苦しんでいる中、事前練習の経験を生かし、安定したレースを見せた。「あえて自分にプレッシャーをかけている。準決勝はまたコースが変わるが、普段からなるべく難しい設定を練習しているし、アドバンテージはある」と自信をのぞかせた。

五輪出場を決める大事な大会で「準備」に力を入れてきた。練習からボートやジャケットが水を吸って重くならないよう、乾いた状態で乗るようにした。さらに風が強いため、ウオームアップを短めにして体を冷やさないうちにレースに臨んだ。「自分の感覚で泳いだらある程度いいタイムが出ることは分かった。それを出すために不安がないように準備する」。出場を当確させたが、東京五輪と同会場で行う貴重な大会。「本番へのいいステップになるように」。2大会連続メダルへの準備はもう始まっている。【松熊洋介】