柔道の17年世界選手権男子100キロ級金メダルのウルフ・アロン(23=了徳寺大職)が、動画投稿サイト「ユーチューブ」に挑戦していることを明かした。

3日夜、米ハワイでの男子代表強化合宿に参加するため成田空港を出発。搭乗前に取材に応じ、昨年12月から開始したユーチューブについて「幼い子供らが柔道を知るきっかけになれば良いと思った。ただ、柔道の試合やトレーニングだけの動画では物足りないので、それ以外の部分もアップしている」と説明した。

手先が器用で料理を得意とする。先日アップした動画は、正月と柔道の体さばきを懸けて「タイのさばき」を披露。タイトルは「正月でめでたいから鯛を捌いてみた」だ。専用器具を用いてうろこを丁寧に取り、自前の包丁でタイをきれいに3枚におろした。うろこを説明する部分では「(ドラゴンボールZの)ベジータで例えると戦闘服の肩パッドのようなもの」などと時折、シュールな表現を交えて実況している。タイのさばきの次は、ローストビーフの作り方を紹介している。動画公開はあくまでも競技普及を目的とし、「ユーチューバーになろうとしているわけではない」と否定している。

昨年12月下旬、マスターズ大会で負傷した右膝を手術した。順調に回復し、今月中旬から打ち込みを再開予定という。

米国出身の父と東京都出身の母を持ち、幼少期からの夢である「柔道界の3冠」を目指している。世界選手権のほか、昨年4月の体重無差別で争う全日本選手権も制し、残すは五輪のみ。7カ月後の大舞台に向け、「今年は勝負の年。やり残しがないよう、1つ1つの練習を大事にやりたい」と決意を語った。